歌うとき口は開ける?開けない? | 荒川久美江オフィシャルブログ「夢人~ゆめびと日記」

荒川久美江オフィシャルブログ「夢人~ゆめびと日記」

元劇団四季女優、ボイストレーナー、婚活カウンセラー。
結婚相談所「Chez L'amour~シェラムール」代表。
「クミエ・アラカワミュージカルClass」主宰。


いくつになっても夢を忘れない!
夢は叶えるもの!

感謝を忘れず笑顔で生きていきます。

歌を歌うのに「口を大きく開けないで」って言う先生が時々いるみたいだけど、それは有り得ないな~(-_-;)
音とは空気の振動が伝わることを言うから、音源が振動する空間がないといけないわけです。
小さな空間だと小さな振動しか起こらないわけで、当然伝わりは小さいわけですよ
もう、それは「小さい声」と思っていいわけで、そんな小さな口で「もっと大きな声を出しなさい」っていうのは、明らかに矛盾だらけで、生徒はかなり混乱すると思いますし、結局喉閉めて押しまくる結果を生み出してしまうんじゃないかしらね~


ある舞台出身の俳優さんで、最近バラエティでもよくお見掛けするんだけど、
バラエティの時は、口もよく開けて表情豊かに話されて、見ていてとっても楽しいんだけど、
ドラマになるとたちまち口を開かなくなって、唇だけ若干動かして台詞をしゃべっていらっしゃいます。
口をほとんど動かさないから、トーンが一色で、目の表情もいつも同じで、大体何言ってるかわからない~ムカムカ
刑事とか弁護士とかそういう役が多いからそうしているのかもしれないけど、
表情のない役者さんなんて見ていてちっとも面白くないですよ~、私はね。
ちょっとステレオタイプに憑りつかれているんじゃないでしょうか
舞台とTVだとそんなに違うんでしょうか
好きな俳優さんだけに残念です


口をよく動かして会話している人は、やっぱり表情豊かですよね
声も大きく振動するから伝わりもよく、コミュニケーション力も高いです
日本語はとても平たい言語だし、一つの音に一母音しかつけられないから、限られた音符で表現しなければならない歌にはやっぱり不向きであることは間違いないです。
でも私たちの大切な母国語だし、日本語には様々な想像を掻き立てる情緒や「わびさび」があります。
だから「詩」には向いていると思うんです。
その美しい「詩」を「歌詞」と考えたら、多くを語れない日本語に沢山の意味や思いや込めて、お客様にしっかり伝えていくために、やっぱり大きな口を開けて、表情豊かでありたいと私は思うわけですよ


「口を開けないで」という先生は、どういう根拠でそれをおっしゃるのか一度聞いてみたいな~
もし先生にそう言われたら、生徒さんは「どうしてですか理由をおしえてください」って聞いてみたらどうだろう
それは無理かなぁ・・・



でもね、大事なことはその開け方なんですよ。
私も闇雲に「大きな口を開けなさい」って言っているわけではなく、大事なのはその開き方なんです。大抵の人は「口を開ける」ってことを「顎を下げる」って思っているみたいですが、それは間違いです。
それには声が響くポイントや、呼吸の方向性や、体全体の支えとかいろんな事が関係していくので、もうレッスンで直接お伝えしていくしかないんですけどね。
もしかしたら「そんなに口を開けないで」っておっしゃってる先生も、そういう意味で言ってるのかもしれないけど、やはりその根拠とか、それでは具体的にどう開けることが正しいのかをちゃんと生徒に説明しなかったら、やっぱり生徒は誤った認識のもとで歌ってしまうと思うんですよ。



最近は、スマホの影響か、本当に無表情な人が増えました
顔も全て筋肉で覆われているから、普段動かしてないと固くなって、あっという間に下がってきて老化してしまいますよ~
生き生きとした表情こそ、人を魅了したり、いいコミュニケーションを生んでくれるんじゃないかしら



私の生徒たちには、普段から口を開けて表情豊かに、広い音域で話すよう指示しています。
だって普段ほとんど顔も口の中の筋肉も動かさない人が、歌の時だけ突然動くようになるとは思えないですもの
その方が断然素敵だと思うしね(^_-)-☆



正しい口の開け方を学んで、大きな口で表情豊かに喋る習慣をつけましょうねキャッ☆