姿勢と歌が深い関係性を持っている事を知らない方が大変多いということです。
よく「体の底からいい声を出す」と言いますが、では体の底とは現実にどこだかわかりますか?
それは「骨盤底」のことです。
「骨盤底」とは恥骨と仙骨の間の前後と左右の坐骨の間にある筋肉の集まりです。
そしてこれらの筋肉は別名「骨盤隔膜」と呼ばれ、呼吸時に横隔膜と同じ動きをしているのです。
歌で「骨盤底」を使うという事に驚く方が多いですが、この骨盤底を生き生きと使えるようになると、安定した伸びやかな声が体の底から生まれてくるのです。
皆さんは「横隔膜」ってどこにあるか、何の役割をしているかわかりますか
横隔膜は呼吸器系臓器と消化器系臓器を隔てている筋肉の膜のことでドーム状になっています。
この横隔膜が深い呼吸時に、上下運動を繰り返すのです。
そしてそれは豊かで自由でなければならず、その自由さは体幹の筋肉の柔軟性と大きく関わっています。
「体幹」については、4月19日のブログで書きましたので参照なさってください。
http://ameblo.jp/yumebito-dreamgirls/entry-11827492979.html
特に重要なのは背中の筋肉です。
なぜなら、横隔膜の最終地点は脊椎につながっているからです。
同時に骨盤隔膜も背中上方に持ち上げられてしまっているので、ほとんど使うことができなくなり、二つの横隔膜(比喩的にですが)は、その機能を完全に失ってしまうわけです。
つまり呼吸が取れないので、歌は歌えません。
少し難しくなりましたが、レッスンではもっとわかりやすい図を元に、正しい姿勢をキープしながら体のイメージを作り、声を少しずつ出していく訓練をしていきます。
わからなくなったら、また姿勢に戻り、呼吸法に戻ります。
そのうちに段々頭も体も理解が深まり、実感とともに声は良くなっていきます
これらの事を全く理解せずに、闇雲に大きな声を出し続けていると、
必ず喉に異変を生じて来ますので、どうかお気を付けください。
「生徒の喉を絶対に壊さない」当たり前の事ですが、巷では意外と無神経に荒っぽい声の出し方がなされているのが現状です。
まずは自分の体をしっかり理解することから始めてください。
そして正しい姿勢をキープできる体全体の筋肉を育てましょう
次回は「脊椎」と「骨盤」について書きたいと思います。