父からの生活費は

いつも滞りがちで

毎回のように催促する母に

父は飛んでもない事を言った。

「〇〇に家まで取りに来させろ」

 

今なら振り込めばいい、

と思うけど、その頃は

ATMが今のように

普及してなかった。

わざわざ銀行に行って

振り込むのが普通。

それが面倒やったんやろう。

 

母が私にそれを告げた時、

私は全力で「嫌!」と

言いたかった。

 

父が愛人と暮らす豪邸に、

生活費を貰いに行くなんて

屈辱以外の何物でもない。

 

中学生だってプライドはある。

それくらい自分で持って来い!

 

今の私ならそう言える。

でも当時の私は内気で

思った事が何も言えない

大人しい子供やった。

 

まして「可哀想な母」には

逆らう事など出来なかった。

 

かくて私は週に1度、

放課後父と愛人が住む家に

生活費を取りに行くはめに。

 

なんで週一やねん!

月に1度でええやん!

嫌がらせか?!