●ごめんあそばせ 独断日本史 @杉本苑子/永井路子 | ★50歳からの勉強道~読書録★

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本は友達。一冊一冊を大切に記憶に留めておきたい。

杉本苑子さんが5月31日に亡くなった。
91才老衰、ということで、大往生なのかな。
合掌。



杉本さんの小説に、新しいことをいっぱい
教わってきたけれど、初めて対談形式の本で
生のお言葉を聞いてみたら。。。
女子会みたいに、わちゃわちゃしていた~







杉本苑子さんは大正14年生まれ。
吉川英治に師事し、
「孤愁の岸」で直木賞。これは宝暦治水事件を
描いたものだけど、杉本作品はタイトルでは
主人公がワカラナイ・・・という困った特徴が。。
2002年文化勲章受章。



同い年の永井路子さんとは、戦友みたいに
話が合う!
しかも女性らしく、ちょっと目立たない所を
チラッとめくって観察するような視点・・・

・・からの~~大胆推理!という所も似ていて
そうそう!そうよね~!と盛り上がる。


杉本苑子さん





白村江の敗戦は第一次ポツダム宣言受諾ね。
唐・新羅から二千人も進駐軍が来たのよ。



菅原道真に受験生が合格のお願いなんて、
とんでもない話ね。あんな人にお願いしたって、合格も出世も無理ね。私だったらもっと
縁起のいい、力の強い神様に行く。


「気配りのすすめ」を道長が書けば
当時のベストセラーね。


奥州藤原氏は本当にアラブの王様よ。


永井路子さん






信西と悪左府頼長は、日本史の中では特筆
すべき人物だわ。藤原仲麻呂から始まる
理想主義的な政治家の系譜があって、
悪左府、信西、梶原景時、高師直、石田三成
本多正純、新井白石、、全て失意のうちに
挫折して、今の政権、中曽根六波羅。(笑)


清盛は面白いわ。あれは田中角栄の
日中国交回復に似てますよ。



信長が叡山という大骨を引っこ抜いたのが
近代の幕開けよ。あの時点の日本の癌だもの。


秀吉は証券マン的ね。


ガラシャ怖い。ブルっちゃうわよ。(笑)



「マダム貞奴」と「冥府回廊」は
大河ドラマ「春の波涛」の原作となった。








紫式部と清少納言、両方私は好きじゃない。

私もよ。

そうね、もの書きにはいい女はいないのだ。






いやいや、女子中、女子高、女子大、職場も
女だらけ、昔から元気な女の子が主人公の本
が好き、女流作家の本ばかり選んでしまう・・・
習性の私にとって、杉本さんは憧れです。



これからも、末永く読んでいきますよー
再び合掌。南無阿弥陀仏。有難うございます。



杉本苑子さんは独身を通した。
熱海の旧宅「彩苑」が公開中。