阿闍梨【外伝】
❖どっちもいい
引用 天台宗公式サイト 法話集
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どっちもいい
水を見たら
水の美しさを見ればいい
花を見たら
その美しさに見とれればいい
春もいいが 夏もいい
秋もいいが 冬もいい
どっちもいい・・・・
武者小路実篤氏の詩です。「どっちでもいい」ではなく、「どっちもいい」といっているのです。
「で」が入るか入らないかで、意味は全く異なります。「どっちでもいい」ということばには冷たい響きがあります。「AでもBでも、私にはどうでもいいことさ」となげやりな感じがします。
では、「どっちもいい」の方はどうでしょうか。あれもいいし、これもいい。つまり、すべてがいいということで、あらゆるものの中にそのものの良さを見出していこうとするように見受けられます。それは、さまざまなものとの関わり合いを大切にする姿なのです。実に私たちの生活はこの関わり合いによって成り立っています。ですから、「どっちでもいい」と、なかば投げ槍に過ごすのではなく、「どっちもいいな」とすべてのものに暖かな慈しみの心をそそげたならば、生活に潤いを持つことができるはずですし、これを仏教では「縁」というのでしょう。
私たちは、気付くと気付かざるとにかかわらず、この縁によって一日一日を生きているのです。
さて、そこで問題は、これを「ご縁」としてありがたく受け取るか、「無縁」として無視するかなのですが、あなたはどうなさいますか。
掲載日:2004年03月24日
https://www.tendai.or.jp/houwashuu/kiji.php?nid=5
❖大樹孝啓・天台座主 満100歳に、在任中では初 「皆さんの支えのおかげ」
天台宗の大樹孝啓・第258世座主が6月23日に満100歳を迎えた。伝教大師最澄が比叡山延暦寺を開創して以来1200年以上の歴史の中で、在任中に100歳を迎えた初めての天台座主となった。
大樹座主は「長寿のためにと思ってしてきたことは何もないから長生きできたことが不思議でしかない」という。高齢でなおかつ体力も徐々に落ちてきていると実感する中でも、宗団の象徴としての大役を担えることに「少しでも負担が軽くなるようにといろいろ工夫をしてくれている。多くの皆さんが支えてくれているおかげ。また介護関係の方の親切な応対に助けてもらっている。私はとても恵まれている」と、周囲への感謝を吐露した。
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