阿闍梨【外伝】一隅を照らす
❖世界宗教者平和会議日本委員会会長に妙法院門跡杉谷義純門主が就任
「情報にあふれた社会に光を」世界宗教者平和会議の日本委員会新会長に妙法院の杉谷師
6/19(水) 19:35産経新聞
世界９０カ国以上の宗教者らでつくる「世界宗教者平和会議（ＷＣＲＰ）」の日本委員会は１９日、同委員会評議員で、天台宗三門跡の一つ、妙法院（京都市東山区）門主の杉谷義純師（８１）が同日付で新会長に就任したと発表した。任期は４年。３期１２年会長を務めた庭野日鑛（にちこう）師（立正佼成会会長）（８６）は高齢を理由に退任を申し出ていた。
記者会見した杉谷師は「社会は情報にあふれているが、お互いに研鑽（けんさん）を積んで少しでも光を見つけていけるようにしたい」と抱負を語った。会見に同席した庭野師は「諸宗教者の活動によって調和のある世界が実現することを心から願っている」と退任のあいさつを述べた。
世界宗教者平和会議の日本委新会長に杉谷義純氏 京都・妙法院門主
6/19(水) 19:30 朝日新聞
世界宗教者平和会議（WCRP）の日本委員会（事務局・東京）は19日、京都市内で評議員会を開き、庭野日鑛（にちこう）会長（立正佼成会会長）が退任し、新たな会長に杉谷義純・妙法院門主を選んだと発表した。任期は4年。WCRPは宗派を超えて平和の実現に取り組むための組織。杉谷氏は「意見交換を通じて各宗教が納得できる方向で活動を組み立て、実践していきたい」と話した。妙法院は天台宗の門跡寺院で、三十三間堂の本坊として知られる。
2012年から会長を務めていた庭野氏は「WCRPは、杉谷会長、戸松（義晴）理事長の新たな体制で再出発する。諸宗教を中心とした活動によって、思いやりのあふれる社会、調和のある世界が実現することを心から願う」と述べた。
❖杉谷義純
１９４２年、東京に生まれる。１９６６年、慶応大学法学部卒業。１９７２年、大正大学大学院博士課程単位取得。その後、寛永寺執事、比叡山宗教サミット事務局長、天台宗宗務総長、文科省宗教法人審議会委員、大正大学理事長などを歴任。現在、三十三間堂本坊妙法院門跡門主、天台宗宗機顧問会会長
杉谷師は、天台宗・比叡山延暦寺において国際通として知られ、第二五三世天台座主山田恵諦師、前滋賀院門跡小林隆彰門主の元で宗教対話の先頭に立たれております。世界宗教者平和会議や、比叡山宗教サミットでは、初期段階から運営実務の責任者を勤め世界的宗教指導者と交流があり活躍が期待されます。
瀬戸内寂聴師の兄僧として寂聴師得度の折には剃髪を担うなど教導されてきました。
❖世界宗教者平和会議（WCRP） 日本委員会
第1回京都大会 第6回大会では初めてローマ教皇が出席 2019年はドイツにて第10回大会
WCRPの歴史は、1970年に京都で開催された「第1回世界宗教者平和会議」に始まります。300名以上もの宗教者が一堂に会したこの会議では、宗教者の出会いと対話を促進し、平和のための宗教協力の原点を確立しました。そして、この会議の結実である京都宣言を具体化し、継続させていくための国際組織としてWCRPが設立されました。現在は世界最大級の諸宗教ネットワークとして活動しています。
1970年10月
第1回世界宗教者平和会議（WCRPI）開催（京都）
1973年 5月
国際経済社会理事会よりNGOカテゴリーIIの資格を受ける
1974年 8月
第2回世界宗教者平和会議（WCRPII）開催（ベルギー・ルーベン）
1978年 6月
第1回国連軍縮特別総会（SSDI）で庭野日敬WCRP国際名誉議長が演説
1979年 8月
第3回世界宗教者平和会議（WCRPIII）開催（米国・プリンストン）
1982年 6月
第2回国連軍縮特別総会（SSDII）でホーマー・ジャックWCRP国際事務総長が演説
1984年 4月
WCRP日本委員会が「財団法人格」を取得
1984年 8月
第4回世界宗教者平和会議（WCRPIV）開催（ケニア・ナイロビ）
1988年 6月
第3回国連軍縮特別総会（SSDIII）でジョン･テーラーWCRP国際事務総長が演説
1989年 1月
第5回世界宗教者平和会議（WCRPV）開催（オーストラリア・メルボルン）
1994年11月
第6回世界宗教者平和会議（WCRPVI）開催（ローマ、リバ・デ・ガルダ）
1995年 7月
国連経済社会理事会NGO（カテゴリーⅠ）に昇格
1996年12月
ユネスコ（国連教育科学文化機関）よりNGO諮問機関の正式承認を受ける
1999年11月
第7回世界宗教者平和会議（WCRPVII）開催（ヨルダン・アンマン）
2006年8月
第8回世界宗教者平和会議（WCRPVIII）開催（京都）
2008年7月
平和のために提言する世界宗教者会議
～G8北海道洞爺湖サミットにむけて～
第7回アジア宗教者平和会議開催（フィリピン・マニラ）
2010年9月
WCRP40周年記念式典開催（奈良、京都、東京）
ARMS DOWN!キャンペーン
2012年4月
公益財団法人に移行
2013年11月
第9回世界宗教者平和会議（WCRPIX）開催（オーストリア・ウィーン）
2014年8月
第8回アジア宗教者平和会議開催（韓国・仁川）
2019年8月
第10回世界宗教者平和会議（WCRPX）開催（ドイツ・リンダウ）
2021年10月
第9回アジア宗教者平和会議開催（東京［オンライン］）
❉日本委員会主要メンバー 肩書は令和6年5月27日現在
名誉顧問
大樹孝啓（天台座主）
大谷光真（浄土真宗本願寺派前門主）
鷹司尚武（神社本庁統理）
顧問
井上日修（日蓮宗瑞輪寺貫首）
植松 誠（日本聖公会主教）
加藤隆久（生田神社名誉宮司）
黒住宗晴（黒住教名誉教主）
薗田 稔（秩父神社名誉宮司）
出⼝ 紅（⼤本教主）
中島精太郎（明治神宮名誉宮司）
西田多戈止（⼀燈園祷座）
舟橋雅美（伏見稲荷大社宮司）
前田万葉（カトリック枢機卿）
南澤道人（大本山永平寺貫首）
宮本惠司（妙智會教団法嗣）
安⽥暎胤（法相宗⼤本⼭薬師寺⻑⽼）
会⻑（評議員会議⻑）
庭野⽇鑛（⽴正佼成会会⻑）
評議員
北河原公敬（東⼤寺⻑⽼）
菊地 功（カトリック東京大司教区大司教）
九條道成（明治神宮宮司）
齋藤賢一郎（妙智會教団理事長）
杉谷義純（天台宗妙法院門跡門主）
田中恆清（神社本庁総長・石清水八幡宮宮司）
深田充啓（円応教教主）
水尾寂芳（比叡山延暦寺執行）
三宅光雄（金光教泉尾教会教会長）
持田貫宣（日蓮宗総本山身延山久遠寺法主）
吉髙 叶（日本キリスト教協議会議長）
理事長（代表理事）
戸松義晴（浄土宗総合研究所副所長・浄土宗心光院住職）
令和4年に理事長に戸松義晴浄土宗総合研究所副所長・浄土宗心光院住職が就任。会長・理事長が伝統仏教教団指導者の就任は初めてとなります。
❖戸松義晴
戸松氏は１９５３年、東京都生まれ。慶應義塾大学、大正大学大学院を経て、ハーバード大学大学院神学校で神学修士号を取得。９３年から浄土宗心光院住職を務め、全日本仏教会（全日仏）理事長、日本宗教連盟（日宗連）理事長などを歴任。今年６月からはＷＣＲＰ／ＲｆＰ日本委の理事を務めている。また、８月には浄土宗総合研究所副所長に就任。著書に『寄り添いの死生学』『Never Die Alone』『仏教徒ターミナルケア――エイズホスピス寺院から学ぶもの』など多数。
