阿闍梨【外伝】一隅を照らす

❖日吉神社山王祭(大津市)



四月十四日、日吉神社山王祭が挙行されました。天台座主も公式参拝される『山王祭』とは。


比叡山の麓に鎮座する日吉大社は、およそ2100年前、崇神天皇7年に創祀された、全国3800余の日吉・日枝・山王神社の総本宮です。平安京遷都の際には、この地が都の表鬼門(北東)にあたることから、都の魔除・災難除を祈る社として、また伝教大師が比叡山に延暦寺を開かれてよりは天台宗の護法神として多くの方から崇敬を受け、今日に至っています。


山王祭は、『午の神事』から始まり、『花渡り式』、『宵宮落とし神事』、西本宮の『例祭』、『神輿渡御』と行われます。


『午の神事』


東本宮 大山咋神と妃神 鴨玉依姫神の結婚を再現する儀式。

3月上旬に奥宮に上げられた神輿に神様がお遷りになり、山麓の東本宮へお渡り頂く神事


『花渡り式』


生源寺~宵宮場まで、山王祭の神事中、最も華やかな神事です。 甲冑を着た5歳前後の子どもたちが出産を迎える神様にお祝いのお花を供える儀式です。


『宵宮落とし神事』


大山咋神・鴨玉依姫神による出産、御子神誕生の儀式ともいわれ、大変勇壮な神事です。

宵宮場と呼ばれる場所に神輿が4基並べられ、生源寺にて読み上げ式を済ませた駕輿丁が到着するや、一斉に神輿を揺さぶり始めます。

坂本の町に大きな音が響き渡りますが、それは神様の陣痛を表すともいわれており、4基揃った中での神輿振りは圧巻です。

やがて、儀式が執り行われ、山王祭実行委員会委員長の祝詞奏上と共に4基の神輿は一斉に1メートル以上ある高さから地面に落とされ(この瞬間が御子神誕生の瞬間とされます)、近くの鼠社まで到着を競い、その後は行列を整えて西本宮拝殿に進みます。

この日の朝、他の3基の神輿はすでに西本宮拝殿に納められており、ここで初めて山王神輿7基が揃います。




『例祭』


日吉大社で最も大切なおまつりです。


7基の山王神輿の前で厳粛な神事が執り行われますが、この時に天台宗総本山比叡山延暦寺より天台座主が参拝され、御神前に五色の奉幣、般若心経の読経を奉納されます。


古くより縁の深い日吉大社と延暦寺。明治以降廃絶した神仏習合の名残を色濃く残す、文化的にも大変貴重な神事です。


『神輿渡御』


西本宮に祀られる大己貴神は、天智天皇の御代、大和の国・大神神社から琵琶湖を渡って比叡山の麓・坂本まで来られました。


その神話を再現するために、7基の神輿は神社を出て町内を巡り、琵琶湖上へと進みます。琵琶湖上では粟津御供あわづのごくと呼ばれるお供え物が膳所の5つの神社によりお供えされます。










引用 延暦寺公式サイト 日吉神社公式サイト

https://hiyoshitaisha.jp/event/sannou/