浄土宗850年、法然が修行した比叡山青龍寺で法要 9日から知恩院
南無阿弥陀仏と唱えれば、阿弥陀如来に導かれ、極楽往生できる。こう説いた法然(1133~1212年)が平安末期、浄土宗を開いてから850年。総本山・知恩院(京都市東山区)による慶讃(けいさん)法要が7日、始まった。初日は、法然が修行した比叡山の青龍寺(京都市左京区)で営まれた。
武士が台頭した平安末期、争いが続き、疫病や災害も相次いだ。正しい仏法が伝わらず、この世は終わるという末法思想が広まった。
美作国(今の岡山県)で生まれた法然は比叡山で修行し、18歳のとき、山中の青龍寺の報恩蔵(ほうおんぞう)にこもった。経典を読み続け、約5千巻に及ぶ一切経を5回読破したという。
43歳だった1175年、南無阿弥陀仏の念仏を唱えれば、すべての人が平等に救われるという専修念仏(せんじゅねんぶつ)の思想に達した。その後、比叡山を下り、念仏の教えを説いた。
浄土宗では、法然が専修念仏の思想に至った1175年を開宗としている。青龍寺は、天台宗総本山・比叡山延暦寺(大津市)が管理していたが、約50年前から知恩院が担うようになった。境内には、若いころの法然の像がある。
7日は知恩院や延暦寺の僧侶約50人が参列した。まず、法然がこもった建物を復元した報恩蔵で念仏が唱えられた。
その後、本堂で法要があった。導師を務めた知恩院の貴田(ときだ)善澄(ぜんちょう)執事長が、法然の遺徳をたたえる表白文を読み上げた。うっそうとした木々に囲まれた境内に念仏の声と木魚の音が響いた。
慶讃法要は9~14日、知恩院で執り行われる。9日午後2時から、法然像をまつる御影堂(みえいどう)(国宝)で開白(かいびゃく)法要がある。14日の結願(けちがん)まで各地の僧侶が参列する。
貴田さんは「法然上人が青龍寺でご苦労なさったことを想像しながら、法要を勤めました。今後は、知恩院でお参りして良かったと喜んでもらえる法要になればいい」と話した。
朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASS474DC4S47PLZB01FM.html?ref=smartnews
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