(1133~1212) 浄土宗の開祖


 美作の人。13歳で比叡山に上り、経典・論書を広く学ぶ。承安5年(1175)、善導『観無量寿経疏』の「念仏を称えると阿弥陀仏の本願力に乗じて必ず極楽往生できる」という説により回心し、比叡山を下りて東山吉水に行き、本願念仏の教えを広めた。



❖自分の道を決めたら、自信をもとう。

これまで、いろんな人を見てきたけど、生きる自信を身につけた人は、どんな状況でも
わりと堂々としていられるみたいだね。

自信のない人は、『どーをな状況でも生きてやる』というハングリー精神がないんだ。ハングリー精神のある人だったら、『なんでもいいから、崖からぶら下がってでも生きてやろう』と思って、がんばっていくよね。そういう人は、ひどい目に遭ったって、そんなにジタバタしないんだよ。

極端な話なんだけど、自信がある人が、会社から『出ていきなさい』と言われたら、『まあ、会社が出ていけと言うんだから、出ていくしかしょうがないな』と思って出ていくよね。

でも、自信がない人が出ていけと言われたら、今勤めている会社を辞めると、食べていけなくなるかもしれないという不安から、『なんとか、ここに置いて下さい』ということになる。そういう人は、普段から、よけいなことを言うのはよそうと思ってしまうんじゃないかな。

受験勉強でも、自信のない人は、『今度はどんな問題が出るのかな』と思って不安になるけど、自信がある人は、『どんな問題が出たっていいや』と思っているから気が楽なんだよ。

誰かに『この問題を教えて』と言われたときも、自信がない人は、『これを教えてしまうと、この人が受かって、自分が落ちてしまうかもしれないから、教えるのをやめておこう』とか思ってしまう。

自分に自信があったら、『教えても自分は受かるから、教えてあげよう』と思えるかもしれないよね。人に教えても、それ以上のものを自分が持っていれば、強いんだ。学術の世界だったら、相手に負けないくらいに勉強して、知識を積んでおけば、自然と、自信は出てくるしね。

逆に言うと、誰かに自分のわからないことを聞きにいったときに、簡単に教えてくれたら、その相手を警戒しないとね。相手は、先へ先へと進んでいるんだろうからね。

商いをするときも、同じだよ。

新しい製品を発表すると、すぐにライバル社はマネをするよね。今みたいなスピードの速い時代は、海外の会社がすぐにマネをして、新商品を少し改良した製品で、あとを追従してくる。そのとき、自信のある会社は、新製品を発表しても、さらにそれより上の技術やデザインを持っているから、すぐに次のもっといいものを出していけるんだ。

発表されたものをそのままマネして『しまった』と思うのは相手のほうなんだよ。そのくらいの自信を持てるようにしておかないといけないんじゃないかな。

ただ、商いに限らず、勉強や生き方など、どんな分野でもそうだけど、自分とまわりを比べることに振り回されすぎて、自信がなくなってしまうこともあるよね。

けれど、自分の道を決めたら、まわりに振り回されないことが大事なんだ。

『自分はこう生きていくんだ』と思っていれば、人に惑わされない。選んだ道を『天命』だと思っていれば、ただひたすら、それをやっていくだけでいいんだからね。

どんなことでも、自信があるというのは、大事なことだよ。どんな人でも、日々、自信を持てるような生き方をして、自分の道をつくっていってほしいね。


ーどんなときも自分を信じて、選んだ道を歩いていこうー 
酒井雄哉