シンデレラは、継母とその連れ子である姉たちに日々いじめられ、下女のようにこき使われていた。あるとき、城で舞踏会が開かれ、姉たちは着飾って出ていくが、シンデレラにはドレスがなかった。
舞踏会に行きたがるシンデレラを、不可思議な力(魔法使い、仙女、ネズミ、母親の形見の木、白鳩など)が助け、準備を整えるが、12時には魔法が解けるので帰ってくるようにと警告される。
シンデレラは城で王子に見初められるが、12時の鐘の音に焦ったシンデレラは階段に靴を落としてしまう。王子は、靴を手がかりにシンデレラを捜す。
姉2人を含め国中の誰も、シンデレラ以外にその靴が合う人はいなかった。シンデレラは王子に見出され、妃として迎えられる。
☆自らつかみ取った「玉の輿」
シンデレラは「寝込みを襲われた」訳ではなく、自ら舞踏会への参加を志願し、その場で王子の求愛に「イエス」と答えた。だから王子は必死になって国中を探し回る。シンデレラはもとのみすぼらしい格好になっているわけだから、自らは名乗りでない。
しかし伏線は張っておいた。靴である。それもおそらく23とか23.5とかの大雑把なサイズではない。魔法使いが作ったのだからシンデレラにしか合わない。その靴は「指紋」に近い。シンデレラが遺したのは靴ではなく指紋だと考えればわかりやすい。
こうしてまんまと王子をおびき寄せたのである。たしかにシンデレラは「行動する女」だったのである。
☆シンデレラはなぜいじめられたのか?
グリムはシンデレラの父が富豪であることを仄めかしている。しかし、使用人が一人もいない(家事全般はシンデレラがこなしている)富豪っているだろうか。このことを考えると、あまり裕福とは言い難い。
すると、シンデレラの父は貴族であるということになる。何故なら、一介の平民の娘が王族の舞踏会に招待されるとは思えないからだ。父親は恐らくは勤勉と実直だけが取り柄の、重宝はされるが出世はしない、没落一歩手前の貴族といったところだろう。
この父親が再婚する。再婚相手は子連れである。なぜ再婚したのか。これは王または宮仕えの上司の紹介で引き合わされたからに他ならない。そして、この継母とその連れ子達が異民族である事を示唆するいくつかの記述(例えば体格の絶対的な違い等)から考えて、これは他国の名家との間に結ばれた政略的な結婚であると思われる。
再婚相手のこの女性を、父親は苦手としていた。やがて父親は家庭を顧みなくなり、継母とシンデレラは互いに反目し合うようになる。姉たちのいじめがエスカレートする。
ベロー作の「シンデレラ」では、シンデレラが最後まで継母や義姉達を憎んでいなかったとなっているが、グリム作の「シンデレラ」では、継母たちはこれでもかと言うほど悲惨な目に遭う。
☆靴を残した石段は本当にあったのか?
物語の舞台となるこの国は大国なのだろうか、それとも辺境の小国なのだろうか。どう見ても大国である。その根拠は、絵本で印象に残る「シンデレラがガラスの靴を落とす階段」である。玄関に10数段の(恐らくは大理石製の)階段を備える極めて立派な王城を持つ国が、貧しい小国であるはずがないのだ。
ところが、この説はペローやグリムの著作だけを考える限り間違っている。何故なら、彼らの物語には「石段で靴を落とした」という記述が含まれていないからである。
恐らくは、いまも宝塚歌劇やショーの演出でヒーロー・ヒロインが高い階段から降りてくるという演出があるように、後世の舞台劇あるいは絵本において追加された演出なのだ。
☆なぜ童話に継母が頻出するのか?
いつも疑問に思うのは、なぜ童話に継母が頻出するのか?ということだ。これには寿命という事実を反映しており、決して創作ではなかったようだ。
18世紀のフランス人の45パーセントは10歳になる前に死んだ。生き残った者でも、ほとんどの場合、成年に達する前に少なくとも両親の一方を失っていた。子どもが成人するまで生き延びられる親はきわめて少なかったのである。
結婚生活は離婚よりも死によって中断されるのが常で、15年が平均の長さである。当然、継母がいたるところに発生する結果となった。継父より継母の数がはるかに多かったのは、寡婦の再婚率が10人に1人に過ぎなかったからである。
継子は必ずしもシンデレラのように虐待されるとは限らないが、兄弟姉妹の関係がかなり険悪なものだったことは十分想像できよう。
☆シンデレラに隠された女性の本音
シンデレラはディズニーで映画化され、プリンセスシリーズの中でも女性に一番人気のキャラクターとなっている。
では何故、シンデレラは女性に人気なのだろうか?
物語の中にヒントは隠されている。
まず、貧しいシンデレラが、魔女により時間制限付の魔法をかけられ舞踏会に参加する部分に注目してみよう。
シンデレラは苛められ不遇な扱いを受けながらもけなげに生きていた。しかしこの時代、貧しいながらも懸命に生きているけなげな少女はシンデレラだけではないはずである。なのに魔女はシンデレラだけをチョイスし、魔法をかけて華やかな舞台に参加させた。
そして舞踏会で王子は、沢山の美しい女性がいるにもかかわらず、シンデレラだけを見初め求愛をする。
これらのシンデレラの立場で一環しているのは「特別扱い」である。
シンデレラは少女のサクセスストーリーであると同時に、「私は特別、選ばれた存在でありたい」という女性の本音を見事に実現している。
またシンデレラを苛めていた継母・義姉達は、シンデレラが幸せになった後、絶望的なまでに徹底的に地獄に突き落とされる。
この対比もまた「私は特別、だから幸せになれた」という女性の本心に響く部分なのかもしれない。
~世界中にあるシンデレラ~
シンデレラは英語:cinder、フランス語:cendre、ドイツ語:Asche、イタリア語:cenereなどはいずれも「燃え殻」「灰」を意味し、和訳名の『灰かぶり姫』もこれらを汲んだものである。
グリム兄弟による「アシェンプテル」
、ペローの「サンドリヨン」が知られているが、より古い形態を残していると考えられている作品としてジャンバッティスタ・バジーレの『ペンタメローネ』に採録されたチェネレントーラ (Cenerentola) が挙げられる。
中国にも楊貴妃がモデルと言われる掃灰娘という類話があるなど、古くから広い地域に伝わる民間伝承である。日本ではペロー版が有名である。ガラスの靴を履かせ、かぼちゃの馬車に乗せるというモチーフを付け加えたのがペローである。
~紀元前のシンデレラ~
現在知られている中でもっとも古い記録の一つに、ギリシャの歴史家が紀元前1世紀に記録したロードピスの話がある。それは以下のような話である。
エジプトのお屋敷に、美しい女奴隷ロードピスが住んでいた。主人は優しい人だったが多くの召使いに十分目が届かず、肌が白く外国人のロードピスは、まわりの女召使いによくいじめられていた。あるとき、ロードピスが上手に踊るのを見た主人は、ロードピスに美しいバラの飾りがついたサンダルをプレゼントした。すると他の女召使いたちは、ロードピスに嫉妬していっそう彼女につらく当たるのだった。
その後、エジプトの王様が民衆を首都に招き、大きなお祭りを催した。女召使いたちはそのお祭りに出かけていったが、そのお祭りに行けないように、ロードピスにはたくさんの仕事を言いつけた。仕方なく言いつけどおりオルモク川で服を洗っていると、バラのサンダルを誤って濡らしてしまう。
それを岩の上で乾かしているとハヤブサが持っていってしまい、それをメンフィスにいるファラオの足元に落とした。そのハヤブサがホルス神の使いだと考えた王様は、国中からそのサンダルに合う足の娘を探し、見つかったら結婚すると宣言した。
王様の船がロードピスの住むお屋敷にやってくると、ロードピスははじめ身を隠してしまったが、サンダルを履かせるとぴったりであった。さらに、ロードピスが残していたサンダルのかたわれも見つかり、王は宣言どおり、ロードピスと結婚した。
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舞踏会に行きたがるシンデレラを、不可思議な力(魔法使い、仙女、ネズミ、母親の形見の木、白鳩など)が助け、準備を整えるが、12時には魔法が解けるので帰ってくるようにと警告される。
シンデレラは城で王子に見初められるが、12時の鐘の音に焦ったシンデレラは階段に靴を落としてしまう。王子は、靴を手がかりにシンデレラを捜す。
姉2人を含め国中の誰も、シンデレラ以外にその靴が合う人はいなかった。シンデレラは王子に見出され、妃として迎えられる。
☆自らつかみ取った「玉の輿」
シンデレラは「寝込みを襲われた」訳ではなく、自ら舞踏会への参加を志願し、その場で王子の求愛に「イエス」と答えた。だから王子は必死になって国中を探し回る。シンデレラはもとのみすぼらしい格好になっているわけだから、自らは名乗りでない。
しかし伏線は張っておいた。靴である。それもおそらく23とか23.5とかの大雑把なサイズではない。魔法使いが作ったのだからシンデレラにしか合わない。その靴は「指紋」に近い。シンデレラが遺したのは靴ではなく指紋だと考えればわかりやすい。
こうしてまんまと王子をおびき寄せたのである。たしかにシンデレラは「行動する女」だったのである。
☆シンデレラはなぜいじめられたのか?
グリムはシンデレラの父が富豪であることを仄めかしている。しかし、使用人が一人もいない(家事全般はシンデレラがこなしている)富豪っているだろうか。このことを考えると、あまり裕福とは言い難い。
すると、シンデレラの父は貴族であるということになる。何故なら、一介の平民の娘が王族の舞踏会に招待されるとは思えないからだ。父親は恐らくは勤勉と実直だけが取り柄の、重宝はされるが出世はしない、没落一歩手前の貴族といったところだろう。
この父親が再婚する。再婚相手は子連れである。なぜ再婚したのか。これは王または宮仕えの上司の紹介で引き合わされたからに他ならない。そして、この継母とその連れ子達が異民族である事を示唆するいくつかの記述(例えば体格の絶対的な違い等)から考えて、これは他国の名家との間に結ばれた政略的な結婚であると思われる。
再婚相手のこの女性を、父親は苦手としていた。やがて父親は家庭を顧みなくなり、継母とシンデレラは互いに反目し合うようになる。姉たちのいじめがエスカレートする。
ベロー作の「シンデレラ」では、シンデレラが最後まで継母や義姉達を憎んでいなかったとなっているが、グリム作の「シンデレラ」では、継母たちはこれでもかと言うほど悲惨な目に遭う。
☆靴を残した石段は本当にあったのか?
物語の舞台となるこの国は大国なのだろうか、それとも辺境の小国なのだろうか。どう見ても大国である。その根拠は、絵本で印象に残る「シンデレラがガラスの靴を落とす階段」である。玄関に10数段の(恐らくは大理石製の)階段を備える極めて立派な王城を持つ国が、貧しい小国であるはずがないのだ。
ところが、この説はペローやグリムの著作だけを考える限り間違っている。何故なら、彼らの物語には「石段で靴を落とした」という記述が含まれていないからである。
恐らくは、いまも宝塚歌劇やショーの演出でヒーロー・ヒロインが高い階段から降りてくるという演出があるように、後世の舞台劇あるいは絵本において追加された演出なのだ。
☆なぜ童話に継母が頻出するのか?
いつも疑問に思うのは、なぜ童話に継母が頻出するのか?ということだ。これには寿命という事実を反映しており、決して創作ではなかったようだ。
18世紀のフランス人の45パーセントは10歳になる前に死んだ。生き残った者でも、ほとんどの場合、成年に達する前に少なくとも両親の一方を失っていた。子どもが成人するまで生き延びられる親はきわめて少なかったのである。
結婚生活は離婚よりも死によって中断されるのが常で、15年が平均の長さである。当然、継母がいたるところに発生する結果となった。継父より継母の数がはるかに多かったのは、寡婦の再婚率が10人に1人に過ぎなかったからである。
継子は必ずしもシンデレラのように虐待されるとは限らないが、兄弟姉妹の関係がかなり険悪なものだったことは十分想像できよう。
☆シンデレラに隠された女性の本音
シンデレラはディズニーで映画化され、プリンセスシリーズの中でも女性に一番人気のキャラクターとなっている。
では何故、シンデレラは女性に人気なのだろうか?
物語の中にヒントは隠されている。
まず、貧しいシンデレラが、魔女により時間制限付の魔法をかけられ舞踏会に参加する部分に注目してみよう。
シンデレラは苛められ不遇な扱いを受けながらもけなげに生きていた。しかしこの時代、貧しいながらも懸命に生きているけなげな少女はシンデレラだけではないはずである。なのに魔女はシンデレラだけをチョイスし、魔法をかけて華やかな舞台に参加させた。
そして舞踏会で王子は、沢山の美しい女性がいるにもかかわらず、シンデレラだけを見初め求愛をする。
これらのシンデレラの立場で一環しているのは「特別扱い」である。
シンデレラは少女のサクセスストーリーであると同時に、「私は特別、選ばれた存在でありたい」という女性の本音を見事に実現している。
またシンデレラを苛めていた継母・義姉達は、シンデレラが幸せになった後、絶望的なまでに徹底的に地獄に突き落とされる。
この対比もまた「私は特別、だから幸せになれた」という女性の本心に響く部分なのかもしれない。
~世界中にあるシンデレラ~
シンデレラは英語:cinder、フランス語:cendre、ドイツ語:Asche、イタリア語:cenereなどはいずれも「燃え殻」「灰」を意味し、和訳名の『灰かぶり姫』もこれらを汲んだものである。
グリム兄弟による「アシェンプテル」
、ペローの「サンドリヨン」が知られているが、より古い形態を残していると考えられている作品としてジャンバッティスタ・バジーレの『ペンタメローネ』に採録されたチェネレントーラ (Cenerentola) が挙げられる。
中国にも楊貴妃がモデルと言われる掃灰娘という類話があるなど、古くから広い地域に伝わる民間伝承である。日本ではペロー版が有名である。ガラスの靴を履かせ、かぼちゃの馬車に乗せるというモチーフを付け加えたのがペローである。
~紀元前のシンデレラ~
現在知られている中でもっとも古い記録の一つに、ギリシャの歴史家が紀元前1世紀に記録したロードピスの話がある。それは以下のような話である。
エジプトのお屋敷に、美しい女奴隷ロードピスが住んでいた。主人は優しい人だったが多くの召使いに十分目が届かず、肌が白く外国人のロードピスは、まわりの女召使いによくいじめられていた。あるとき、ロードピスが上手に踊るのを見た主人は、ロードピスに美しいバラの飾りがついたサンダルをプレゼントした。すると他の女召使いたちは、ロードピスに嫉妬していっそう彼女につらく当たるのだった。
その後、エジプトの王様が民衆を首都に招き、大きなお祭りを催した。女召使いたちはそのお祭りに出かけていったが、そのお祭りに行けないように、ロードピスにはたくさんの仕事を言いつけた。仕方なく言いつけどおりオルモク川で服を洗っていると、バラのサンダルを誤って濡らしてしまう。
それを岩の上で乾かしているとハヤブサが持っていってしまい、それをメンフィスにいるファラオの足元に落とした。そのハヤブサがホルス神の使いだと考えた王様は、国中からそのサンダルに合う足の娘を探し、見つかったら結婚すると宣言した。
王様の船がロードピスの住むお屋敷にやってくると、ロードピスははじめ身を隠してしまったが、サンダルを履かせるとぴったりであった。さらに、ロードピスが残していたサンダルのかたわれも見つかり、王は宣言どおり、ロードピスと結婚した。
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