妹は、現在がんの治療を続けている。
ホルモン治療と分子標的薬を始めて、まだ時間はそれほど経っていない。
正直に言えば、「劇的に良くなった」「安心できる状態だ」と言える段階ではない。
ただ、少なくとも今のところ、体調が大きく崩れている様子はない。
治療前にはなかった血液検査の項目で、数値が高く出たものもあった。
それを見たとき、家族としてはどうしても不安になる。
医療的な意味ではすぐに結論が出るものではないと分かっていても、数字として目に入ると、気持ちは揺れる。
それでも、本人は思っていたより落ち着いている。
表情も穏やかで、日常の会話も普通にできている。
その姿を見ると、こちらが過剰に不安になりすぎているのかもしれない、と思わされる。
病気というのは、本人だけでなく、周りの人間の心も静かに消耗させる。
「何かしてあげられているのか」
「見守るしかないのか」
そんな問いが、頭の中で何度も繰り返される。
今は、無理に前向きな言葉をかけることもしていない。
必要以上に心配を押し付けることもしないようにしている。
ただ、いつも通り接すること。
それが一番大切なのではないかと思っている。
妹の治療は、まだ道の途中だ。
良い日もあれば、不安になる日もあるだろう。
それでも、今日を普通に過ごせていることを、「当たり前」と思わずに大切にしていきたい。