ブログネタ:「あの曲の思い出」 | 軽井沢で美穂の時つむぎ

ブログネタ:「あの曲の思い出」

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エルビラ
私は12月生まれだから、16歳の夏から、この曲をよく聴くようになりました。
仲良しのS君が遊びに来た時に、ポール・モーリアのレコードをかけていて、彼のアルバムは大概BGMで、一曲ずつ真剣に聴く事は稀だったのだけど、その日を境に変わりました・・

これ・・スウェーデン映画の『みじかくも美しく燃え』って映画の中でかかっている曲だね
え?そうなの?どんな映画?
家庭のある青年伯爵中尉とサーカスの綱渡りをしている美しい女性の悲恋だよ。
綺麗なメロディなのに・・悲恋なんだ・・
悲恋だから、綺麗なメロディなんだよ。
この曲、好き?
うん、好きだよ
そお・・

S君は物静かな文学青年で、スポーツ万能なのに頭が良く、とても同級生には思えないような大人っぽい雰囲気を持っていました。
私がこの映画を観たのは、4~5年後になります。
今のような環境のなかった時代、3本500円とかの映画の中の一つとして観たのですが、16歳で既にあの映画を観て理解していた彼は、やはりとても大人っぽかったのでしょう。
タイムマシーンに乗って、私の記憶が蘇ってきました。

窓の外には、葡萄の葉が繁っていて、出窓にレースのような木漏れ日の影が揺れていた・・・
夢のような時間・・静かに音楽の流れる中、氷がグラスの中で崩れる音が、現実なんだと気持ちを呼び戻してくれたっけ・・

彼のあとを追うようにして聴いた音楽、読んだ本、思想・・
少しでも近づきたくて・・

今、私と彼との距離は縮んだでしょうか・・・
むしろ、追いかけていたあの頃の方が、ずっと近かったのは、云うまでもありませんよね・・

みじかくも・・

◆ モーツァルトのピアノ協奏曲第21番第2楽章 ◆