オーシャンビューのホテルを勝手に予約してしまった
イタリア人の友人。
彼女は息子と同級生のママ友で
もう、付き合いは11年にも及ぶ。
このブログの長年の読者様は
キャンピングカーを勝手に借りてしまった
S女史と言えば、覚えていらっしゃる人もいるかしら??
彼女はパワフルで行動的で
シングルマザーでワーママなのに
週末も予定を詰め込んで遊び倒す。
モロッコにも親子でやってきて
海外線をレンタカーで縦断して
アガディールまで行って帰ってくる
海三昧旅行も一緒にしたことがある。
その時は、一番運転するのに危険な街、カサブランカで
走行中、突然女性が横切ってきて急ブレーキを踏むと
後ろの車に追突されて大騒ぎになったことがある。
運良く、車体は旅を続けられる程度のダメージだったので
私達はカサブランカからアガディールまで
沢山の海岸に立ち寄りながら旅を続けられた。
誰も怪我人が出なくて本当に良かった。
が、S女史には後から保険から請求が届いて修理費を支払っていた。
次に、キャンピングカーで
南イタリアまで一緒に旅をしないか??
と言われて、S女史は勝手に格安キャンピングカーの
レンタルを予約してきた。
自分の車でその持ち主の家まで取りに行くという。
レンタル会社を通さない、個人貸しの方法があるらしい。
私とS女史は、トスカーナの小さな可愛い街でランチを食べ
寄り道しながら、持ち主の家に向かっていた。
が、行けども、行けども、その持ち主の家に着かない。
私達は日が暮れ始めた頃にその持ち主の家に着いた。
キャンピングカーは古くて
清掃済みの状態で引き渡される予定だったのに
前に使用していた人が返してきたままのような
綺麗とは言えない状態での引き渡しだった。
S女史は怒りだし、最低限の清掃をここでやりながら
このキャンピングカーの機能を教わりましょう!と
私は突然清掃要員として働いた。
そしてやっと綺麗にして
内部の機能も教わって
出発した時には暗くなっていた。
私達はガソリンを満タンにして
途中のサービスエリアで軽い夕食を食べた。
その時、普通の駐車レーンではなく
キャンピングカーやトラックが縦列駐車している列の
最後尾に私達は駐車して、トイレも済ませて車に戻った。
そして出発しようとした時に
ガン!と鈍い音が聞こえた。
S女史は、先程、私達が最後尾だったからと
後ろを見ずにバックしたら
次に入ってきて後ろに停まっていた
キャンピングカーにぶつけてしまったのだ
キャンピングカーは、後ろが見えない
サイドミラーで確認しないといけないのに
確認もせずにバックするとはと呆れていたら......
「Ritz、あなたが降りて確認するべきだったのよ!」
と、突然私のせいにされた
S女史は、疲れて体力の限界に近づいた時に
物凄く危険な人物に豹変する。
それなのに、おおよその時間予測が出来ないのか?
自分の疲れ具合を予測できないのか?
無謀な計画を詰め込み、いつも墓穴を掘っている
私達は車から降りると
後ろのキャンピングカーの持ち主が
車を確認していて、バンパーが下がってしまっていたので
そこから保険の用紙を書いたり、電話したり.......
S女史は、昨夜ギリギリ、保険には入ってきていた。
しかし、そのコールセンターのオペレーターが電話に出てくれず
キャンピングカーの持ち主に電話して、大喧嘩しているし
結局、保険には後日電話することにして
私達はやっと手続きを終えて出発した。
子供達は、キャンピングカーが到着するのを楽しみにしていた
だけど0時を周ってしまっていたので、もう寝てしまっていた。
やっとのことでフィレンツェ北インターに到着した。
そこで料金を払おうと思ったら、ウィンドーから手が届かず
エンジンを切ったが最後、
そこで力尽きたキャンピングカーのエンジンはもう、掛からなかった
まさかの故障ーーー
S女史の体力と気力は限界で
料金場からどう移動して良いか解らず
後ろの車の人が親切で、後ろから押すと
下り坂気味だった道に助けられ、車はスルスルと料金場の外に出られて
路肩に落ち着くことが出来た。
私達は警察を呼び、その後
牽引車を呼んで、取り敢えず高速エリアの外に出て
一番近い駐車場に停めてもらえるよう頼んだ。
保険のコールセンターが誰も電話に出ないので
その時は実費で払って下さいと言われて
S女史は400ユーロも払うハメに
私達は深夜の駐車場で呆然と立ち尽くした。
スマホの電源があと5%しか残っておらず
私はタクシーを呼ぶことだけに集中し
やっと家に辿り着いたのは3時頃??
南イタリアの旅は中止となった
これで、ナポリとかでエンジン掛からなくなったら
君達、どうしていたの??
と、夫に呆れられた。
ほんの1Km程度の牽引距離で400ユーロの実費だったのだから
ナポリーフィレンツェ間とか、天文学的数値になりそうだね
この、男前で色々、勝手に決めてきちゃうS女史が
全て責任を持つことになっているんだけど
私の損失は最初に満タンにしたガソリン代90ユーロだけで済んだ。
やることはいつも大胆なのだけど
彼女の体力の限界が近づく時に
まるで悪霊が憑くかのように
S女史は何かを引き寄せるプロのようなのねー。
トスカーナの近場の海のホテル1泊の計画なら
夜は車移動も無いし、初めて余裕の滞在となるね!と
私はただ、海風を感じて癒される事だけをイメージしていた
つづく