パンが無いと生きていけない人達。 | イタリアでモロッコごはん

イタリアでモロッコごはん

イタリア在住 リツコがモロッコ人と結婚を決めた途端、介護同居生活が始まり今に至るドタバタと、美味しいモロッコ&地中海料理について語ります♪

私が初めてモロッコに行った時

友人の実家を拠点に3週間ほど旅をした。

 

 

そこでは、毎朝ピッカピカに家が掃除され

毎朝家族が食べるパンを捏ねていた。

 

 

丸くて平たく伸ばされた

直径30cmほどのアラブパンは

欧米では見たことのない形の

各家庭にある大きめの観音開き型ガスオーブンで焼かれる。

 

オーブンを使いたくない家では

パンの成型までしてから

ハンマム(公衆浴場)の裏手にある

ハンマムの熱を利用した公衆オーブンに持っていって焼いてもらう。

 

数十円で釜の前の汗だくのオジサンが

絶妙な焼き加減でパンを焼いて

引き取り場に置いておいてくれる。

 

 

 

 

モロッコの田舎家では、庭にある

土で作った釜に薪をボンボン放り投げ

その上でパンを焼いていた。

 

こんなんでもパンって焼けるんだ〜!と

原始的な方法に驚いたけれど

人類、初めはみんなこうしてパンを焼いていたに違いない。

 

 

毎日これを日課に生活しているくらいだから

モロッコ人はパンが無いと生きていけない。

 

 

何度も言うけれど

うちの夫は私と結婚する前

フィレンツェの寿司屋に初めて行って

 

「パンはありますか??」

 

と野暮な質問をしてしまった爆  笑

 

 

寿司屋に、パンは無いから真顔真顔真顔

 

 

寿司は良いとして

おかず系のお肉やお魚料理は

必ずパンを一切れ食べたがるのだ。

 

 

中国人経営の中華料理屋に日本人が行って

餃子と白飯を頼んでしまうと怒られるのと一緒だ。

彼らは、餃子は白飯とは食べない真顔

 

餃子はイタリアのラビオリと同じく

プリモピアット(最初に食べる主食)とみなされるのだ。

 

 

私達日本人が、どうしても

白いご飯を欲するように

モロッコ人も常にパンが欲しいのだ。

 

 

しかも、モロッコで毎朝焼かれるように

なるべくフレッシュなパンがお願い






 

 

モロッコではパンが焼けない日は

ブーランジェリーや

家の前の商店に並ぶバゲットをヒョイっと買って来れる。

 

大抵道の角に、大きなオーブンを構えたパン屋があり

アツアツの焼き立てアラブパンも買える。

そこで売っているのは人の顔くらいの大きさで

それを何個も買って帰る。

 

 

こちらのパンは10〜20円で買えるけれど

イタリアではバゲット1本80セントほど

普通の食事パンで1.5ユーロほどする。

 

 

白米は、突然値上がりして

最低ラインでも1Kg1.8ユーロほどになってしまった。

 

 

お米はストックしておけるけれど

パンはすぐに固くなってしまうので

夫は毎日買い物に行く。

 

 

そして、あれも、これも、と買っては

毎日20〜40ユーロくらい使ってしまうので

今まで本当にエンゲル係数が高くて大変だったのだけれど

 

値上がりが半端なくなって来たので

「パンだけ買ってきて」と言って

本当にパンだけ買わせている真顔

 

 

光熱費もバカにならない高騰っぷりなので

みんなオーブンも付けたくないと言っている。

 

 

パスタは沸騰してパスタを投入したら

蓋をして火を消して調理するようテレビで盛んに言い出した。

所定の分数放置しておけば同じように茹で上がるから、と。

 

 

イタリア人で超節約している人は

夜もパニーノやパスタで済ませている。

 

 

なんだか我が家だけアホのように

食費を使い込んでいるけれど

常に心が「王子」な夫は、食卓だけは惨めな思いをしたくないので

フルーツも山盛り買って来てしまって止まらないえーん

 

 

今日を楽しむのがいいんだってもぐもぐ