地べたに座って... | 私のイタリア時間

私のイタリア時間

イタリアに住みはじめて、20年もの月日が経ちました。
イタリアでの何気ない日々。流れる時間の中で起こる、ふとした出来事や思い。
このブログでは、そんな日常を1枚の写真と共に書き綴っています。




家を出て、

街中方面に向かう。


隣のアパートの

入り口付近の階段には、

座り込む若者がいた。


私が住むアパート群の

この辺りは、

推し進める開発の波で、

郊外行きのバス停が

臨時で設置され、

それに伴い、

近くの大きな公園から

変な輩までウロウロするようになった。


地べたに座るものは、

それこそ、

血眼になって

ブツを探す。


ここ、フィレンツェでは有名な

大きな公園で

クスリの売り買いをしているのは、

有名な話で、

誰もが知るところなのに、

あまりちゃんと

取り締まることがないのが

私の不思議に思うところである。


そんな輩たちが

この辺りまで移動して来ている。


明らかにやり取りをするのを

何度か目にするが、

何にも出来ずに

見過ごすしかないのが

住民にとっては、

心地の良いことではないだろう。


少なくとも、

私はそうである。


コイツらもか...


そう思いながら、

その地べたに座り込んでいた輩を

通りすがりにチラリと見た。


よく見ると、


緊張した面持ちの少年が、

リボンを解きながら

手にした小さい箱を

向かって座り込んだ女の子に

なにやら

ポソポソ言いながら、

渡しているシーンであった。


あ、そっか。


その日が

バレンタインデーだということを

ブログに書いたばかりなのに

すっかり蚊帳の外にしていたことを

ふっと思い出した。


なんだか、

甘酸っぱい、

そんな思い。


それが成就したかは

知らないが、

若いっていいね〜〜

なんて思った。


地べたに座り込む人々を

正直、

歓迎できないと思う私だが、

この日の

彼らには、

特等席にしてもいいなぁ〜と

偉そうに思う中年の女は、

密かに

ほっこりした気分になったのであった。





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⬇︎  ちょこっと、ひと押し。





最後までお付き合い、どうもありがとうございます。