5年前、ロックダウンの時期にネットで巡り合ったNY在住「Kemio」君の動画。
彼はファッション・モデルであり、登録者200万人を超えるYouTuberである。
とても早口で、おもちゃ箱の中からポン、ポン、とポップコーンのように「言葉」が飛び出てくる。彼が発する、初めて聞く「言葉の組み合わせ」が新鮮で、異世界に入ったような面白い感覚になる。動画を見終わった後、自分の思考が柔軟になり、余計なものが吹っ飛んで整理されたように思える。私に起こるその現象は、本当に不思議である。
だいたい、いつも自分の好みの本だけを読み、好みの映画だけを見ている。でも、それだけだと何か行き詰まった感じを覚えることがある。時々、つまらなくなる。
レストランでいつも同じようなものを注文する傾向にあるけれど、食に詳しい友人と行くと新しいものに挑戦することが出来る。そして、意外にも美味しかったりすると「食の世界が広がった」気分になる。
先週末、友人の提案で上野にある「国際子ども図書館」を見学してきた。
東京藝術大学に隣接するこの図書館の前を何回か通ったことはあるが、「なんだ、子供か」と素通りしていた。
ところが、今回見学して驚いた。まず、建物が素晴らしい。1階から3階まで吹き抜けになっている大階段は開放感があり、シャンデリア、照明、各部屋の扉など、重厚感があり、とても落ち着く。
明治、大正、昭和初期から現在までの絵本が展示されている部屋がある。明治、大正の絵本など実際には見たことがないのに、何故か懐かしさが込み上げてくる。
友人が提案してくれたおかげで入館した図書館は、想像よりも遥かに素晴らしく、心がわくわく動いた。
この機会を与えてくれた友人に感謝である。