友人夫婦が新しくオープンしたお蕎麦屋さんへ連れて行ってくれた。
そのお店の“かき揚げ”はふっくらしたカタチも、こんがり揚がった色も、見るからに美味しそうで食欲をそそる。ボリュームも凄い。冷たいお蕎麦と一緒に頂いた。
「ここでお昼を食べた日は、夕食がいらないくらいなの」と友。
「そうそう、胸焼けでね」と友の夫が笑う。
胸焼けしても美味しい!
私は食事のあとにお墓参りに行く予定だというと、友が「私達も一緒に行くわよ」と言ってくれる。彼女たちの車で連れて行ってくれるというのである。
「ひとりで大丈夫、掃除をしなきゃいけないし、時間がかかるから」と、遠慮する私。
「何ヘクタールもあるお墓じゃないでしょ!」の言葉に大爆笑してしまう。
いざお墓に到着すると、友と友の夫が率先して掃除に励み、私はのんびりと墓石を拭いただけ。本当に有り難い友である。
霊園入口で買ったお花は、数年前と同じ値段でも花のクオリティが見るからに下がったような気がした。こんなに淋しい花だったかしら。今回はフラワーアレンジメントの仕事をしている友が忙しくてお願い出来なかったけれども、やはり、次回からは彼女にお願いしようと思う。頻繁にお参りできるわけではないから、心がやわらぐ花を供えたい。
まわりに墓じまいをしたところが目立った。以前来た時には長い間誰も来ていない様子のお墓がいくつかあったのだ。雑草は生え放題、全体的に埃っぽく、乾燥している感じだった。それらが、綺麗に跡形もなく消えている。「時代だよねえ」とそれぞれが口にする。
不思議なことに、いつも必ずやってくるカラスは現れなかった。
昼にあれほど大きなかき揚げを食べたにも関わらず、胸焼けもせず、夕方にはお腹が空いてきた。
朝、仏壇に供えたおはぎを食べよう。帰省の際には必ず通ったお店。今朝買いに行った時、ずいぶんと若い人が作っているなあと思った。しばらく来ないうちに働く人も新しくなったのだろう。おはぎに箸をいれ「ちょっと硬いなあ」と思った。朝に買ったものだから仕方ない。箸使いが悪くおはぎが裏返った、なんと裏側に“あんこ”がついていない・・・
ちょっとがっかりしながらも「ご時世だね」と思う。