夏の軽井沢 六日目(8/14/25)
今朝も賑やかな鳥のさえずりで目が覚める。
友人は仕事仲間とゴルフの日、午前7時頃に足音を忍ばせて静かに出掛けたようである。
私は10時頃に別荘の近くを走る「軽井沢町巡回バス」に乗り、軽井沢駅まで行ってみることにした。15分遅れてきたバスは意外にも満席だった。
見たことのない初めての町を通り、旧軽井沢に入る手前で渋滞、バスはしばらく動かなくなった。右手に広大な庭のある別荘が見えた。ミニ少年野球が出来るのではないかと思うほど広い。門に鎖がかかり人の気配はない。自転車で観光する人たちがその邸宅前の歩道を走っている。この別荘が建った頃は、これほど車も人も多くなかったのかも知れない。こんな状態では庭で静かに読書というわけにもいかないと思う。
旧軽井沢を通りぬけるのに30分かかり、やっと軽井沢駅に到着した。帰りのバスの乗り場と時間を調べてから、人で賑わう旧軽井沢方向へ徒歩で逆戻りする。
空腹を感じたのでお蕎麦屋さんを探すけれど、どの店も長蛇の列である。だいぶ歩き、脇道に入る。左手にずいぶんと年季の入ったお蕎麦屋さんの看板が見えた。お店は2階にあり、階段に並んで待つ人が列を作っている。諦めるほどの人数ではないので、いちばん後ろに並んだ。10分もしないうちに順番が来て、丁度2人用の小さなテーブルで安堵する。忙しい時に4人テーブルをひとりで占領するのは気がひける。冷やしたぬきそばを注文した、ほんのりとごま油の香りがする。
食べ終わってからすぐに席を立ち、ソフトクリームを求めて外へ出る。お洒落なチーズ工房でカップ入りのソフトクリームを頂く。口の中に残っていたごまの香りが消えた。
人の賑わいを見にきたようなものだが、それはそれで力強いエネルギーを感じる。
帰りは別のルートで別荘へ戻る。来る時は1時間以上かかったのに、帰りは35分程度。
午後4時過ぎに別荘へ戻ったら、友はドアも窓も開け放して1階のソファで横になり休んでいた。ゴルフは楽しかったようである。お互い上機嫌に今日の出来事を語り合う。明日は最後の日で外食を予定している。冷蔵庫にあるものを使い切ってしまいたいという友は、ひき肉と残り野菜を使ったカレーを作ってくれた。なす、トマト、コーン、ズッキーニなど。
ピリッと辛口で美味しい。
明日の予定を確認し、眠りにつく。音のない静かな夜である。