「書いて気づくことがある」
数ヶ月ほど前からKさん(女性)のブログを読ませて頂いている。ありのままの出来事を正直な気持ちで書かれている。生まれ、育ち、経歴、現在の環境も、私とは大きく異なるけれども、年齢は近い。海外で暮らした時の体験談など、私にも似たような経験があり、時には「そうよねえ、わかる、わかる!」と共感する。
その彼女が人間関係の問題を何回か書いており「書いていて気付いたことがある。悪いのは相手じゃない、私だった」という言葉に強く心を動かされた。
いろんな人たちが書くことを奨励している。書けば真実が見えてくる、自分の本当の気持ちがわかってくると。でも、それがなかなか難しい。書き始めるが、ネガティブな感情が再発してまとまりのないものになってしまうこともある。客観的に正直に書くことは、思っているより簡単なことではない。
誰に読ませるわけでもない日記でさえ、正直に書くのを躊躇することがある。
Kさんはそれを何度も書き綴り、そして、ついに気づいたという。その言葉は私にとって心強いものである。私にも出来るかも知れない、と思える。波乱万丈な人生を送っているKさんの言葉は心に響いた。
「気づいた。そして、相手へ向けていた怒りは小さくなった」とKさん。
「思い出すことで、未来がひらける」と言った人がいる。Kさんは過去を思い出して文章にし、そこに気づきがあり、今までとは違う未来がひらけたのかも知れない。
「人間とは記憶の塊である」と大昔に何かで読んだことがある。確か、海外の哲学者だったような気がする。記憶を読み解き、そこに気づきがあり、それで未来が良い方向へ導かれるのであれば、やってみる価値はあると思う。
誰にも見せない日記には、事実だけを書きたい。そうでないと意味がない。そして、自分の身に何かあったら即刻その日記を消去してもらいたい。
そんな仕事、人に見られたくないものを処分してくれるというテレビドラマがあった。
タイトル「Dele」(校正用語で「削除」のこと)山田孝之氏と菅田将暉氏のダブル主演。
依頼したい人はたくさんいると思う。私もその一人である。