軽井沢に滞在中、友人の従兄弟さんが庭のお掃除の手伝いに来てくれた。

友人よりも8歳年上であり、すべてのいとこの中で彼が年長者である。

 

友人はいとこ達とラインでつながり、帰省した時には「いとこ会」をするという。

 

母方の6人の姉妹は皆仲が良く、それぞれが結婚した後も子供を連れて旅行をしたとのこと。いとこ達はまだ幼い頃から仲が良かったのである。

 

現在は友人の両親も他のいとこ達の親もほとんどが他界したが「いとこ会」は健在であるらしい。

 

私もたまに「いとこ会」がある。私たちの場合、東京に住む叔母が甥と姪を集めて食事をしたいという意向が強く、叔母はそれを「いとこ会」と呼ぶ。東京に集まれる人だけの「いとこ会」である。

 

私はいとこの中で年長者になる。本当はもうひとり私よりも4歳年上がいるのだけれども、彼女とはここ何十年も連絡がつかない。

 

帰省した時は必ず母の実家へ行き、祖父母の仏壇に手を合わせる。3年前からはその仏壇の上の写真に叔父が加わった。残された叔母と暮らす従兄弟、そこを訪ねてくる兄弟、お盆の頃はさながら「いとこ会」になる。

 

子供の頃から親戚一同が集まるのは結婚式かお葬式だった。

 

15年前、私の母が入院した時から急に皆と会う機会が増えた。皆が母を見舞ってくれた。

同時に自分たちの親の心配をするようになった時でもある。

 

母が他界し、叔父、叔母が亡くなり、その都度、親戚が集まり、いとこ会になる。

話題はいつも自分たちが子供だった頃のこと、親たちのこと。

 

高校生になった頃から会う機会が少なくなっていたいとこ達が、自分の親たちの心配をするようになってから、それまでの疎遠が嘘のように親しくなったのは意外なことであり、とても嬉しく、心強い。

 

向田邦子さん脚本のドラマ「いとこ同志」。

もちまわりで、雑誌「あすなろ新聞」をつくり各家庭へ送る。そこには自分たちのこと、家族のことが書いてある。そして、いつの間にか、雑誌の発行も終わる。

 

故郷へ帰る度に友人と会うことの方が多いが、今のうち、会えるうちにいとこ達を訪ねたいと思う。