晴天に恵まれた4月の中旬、四ツ谷駅で友人と待ち合わせた。
いつも私は早めに到着する。待ち合わせ場所の近辺を散策するのが好きなのである。ぷらぷら歩く間、帰宅する雙葉小学校、学習院初等科の1年生だと思われる生徒たちと保護者の方々と何度もすれ違った。
タレントのいとうあさこさんが「雙葉はランドセルが黒だったから、赤とかピンクに憧れていた」とおっしゃっていたが、ピカピカの黒のランドセルを背負う女の子はとても可愛いし小学1年生の子供たち同士が交わすお喋りは元気な小鳥のさえずりのように愛くるしい。
四ツ谷駅から6~7分ほど歩くと、白いフェンス越しに横長の建物が見えてくる。初めて見る迎賓館は、想像していたよりも遥かに大きくて広い!
迎賓館を訪れる少し前、写真家・田原桂一氏の写真集「迎賓館」を見に図書館へ出かけた。重厚感のある建築、装飾の細部、まばゆいばかりのシャンデリアなど、美しいものがよりいっそう輝かいているかのように見えた。
実際に見学した迎賓館は、豪華な中に厳かな空気が漂う。館内に展示されている来賓を迎える時の食器や家具、天井の絵や絨毯などに、当時の文化、長い歴史を感じた。
迎賓館を訪れた数日後に再度、田原氏の写真集を見に行った。ページをめくりながら、実際に肌で感じた空気感や重厚さが蘇る。経験は想像力を豊かにすることを実感した。
一緒に見学した友はいつもお洒落で、その日も素敵な装いがとても似合っていた。スタイルが良いから、と安易にそう理由付けをするが、そればかりではない。日々を丁寧に生きる姿勢、内面の輝きが現れているように思う。
「美しさ」には理由がある、と再認識した「迎賓館赤坂離宮」見学の日だった。