おそらく今年最後のお花見になるだろうと、小雨が降るなか出かけた日曜日の午後。日比谷あたりから皇居方面へ歩いてゆっくりひと周りしよう。雨に濡れた桜の花も綺麗だろう。

ところが、日比谷駅を出たところで雨脚が激しくなってきた、風も強い。

 

それならば予定を変更して映画を観ようと近くの映画館へ飛び込んだが、15分前に始まってしまっている。丁度良い時間帯の上映もない。有楽町マリオンはどうだろうと思って行ったら、ここも5分前に始まったばかり。

 

ふと同じフロアーの反対側を見ると「プラネタリウム」のサインが見えた。窓口まで行くと何種類かのちらしがある。

 

「アラビアンナイト ヒーリング ~ 星が舞う夜 ~」

 

アラブ国のモスクのような絵が描かれた紫色のちらしに心が動いた。15分後に始まる!

まったく考えてもいないことだったけれども、入ってみようと思った。

 

薄暗いドーム内に入ると、男性スタッフの方がペンライトで足元をかざし指定の席まで案内して下さった。あとからどんどん観客が現れ、あっという間にドームはほぼ満席になった。

 

まずは「ウェルカムドーム」(ドーム入場時に上映している幕間の映像)の満開の桜。天空に舞うピンク色の桜が心をあたためてくれるようである。

 

下記、公式サイトより上映作品の紹介

 

*それはまるで、夢の世界

 

本作の舞台は異国情緒あふれるアラブの地。人々が祈りを捧げるために訪れる美しく幻想的なモスク。まるで夢の世界のようなその佇まいに一瞬で心を奪われます。煌びやかな建物が立ち並ぶドバイやアブダビは、人々の夢が集まる羨望の都市。そして、そこから少し足を延ばすと・・・

 

*異国の地で、心も舞う夜が訪れる

 

そこには年月を重ねた壮大な砂の景色が広がっています。見渡す限りの砂の大地。夜になると、眩いほどの星や月の光がこの場所を優しく包み込みます。幻想と現実の夢が交差するアラブの夜、アロマの香りに包まれながら神秘的な星空に心を委ねてみませんか。

 

以上。

 

オープニングはドバイの街の夜景で始まり、そこから砂漠へ導いてくれる。ドーム内は甘いアロマの香りに包まれ、割と早い時間からお隣の席のお嬢様は熟睡されていた。

 

終盤近く、広大な砂漠から星の大群の中へ上昇する体感に伴い不覚にも感涙。徐々にフェイド・アウトして静かに上映は終わった。

 

ビルの外へ出ると青空が広がり、道行く人たちで賑わっている。

 

「アラビアンナイト」45分の旅だったが、美しい映像と心地よいナレーション(森崎ウィンさん)、そして安らぐ香りに癒やされた。雨宿りで入ったプラネタリウムがこんなに気持ちを清々しくしてくれるとは!

 

想像を遥かに越える楽しいイベントだった。