先週、友人を訪ねて仙台へ1泊旅行に出かけた。
上野駅から新幹線に乗り、たった1時間半で到着する。それほど近いのに、新幹線から降りると空気がひんやりと冷たく感じる。新鮮で、思わず両手を広げ深呼吸。
6年ぶりに会う友人と感激の対面をし、彼女の運転する車で市街地にある老舗のお蕎麦屋さんへ。ちょうどお昼の時間となり、温かいお蕎麦を美味しく頂く。
その後、大きな公園へ連れて行ってもらう。あと2週間もすれば桜が綺麗な季節だと思うのだが、まだ蕾も膨らんでいない木々の間をゆっくり歩く。その日は天候に恵まれ、陽があたりぽかぽかと気持ちが良い。公園内を何周もしながら話は尽きない。
彼女と出会ったのは1990年代のNY、男友達のガールフレンドとして紹介されたのが初対面である。その数年後、彼女はひとりで他州へ引っ越したが、仕事でNYに来る度に連絡をもらい、その度に会って近況報告をし合った。初めて会った時から約30年の付き合いになる。
彼女は勇気と決断力があり、潔く、人にも、何事にも依存しない。とても可愛らしく、物腰の柔らかい女性だが、その外見からは想像できないほど芯の強い人である。
「あなたの行動力はどこから来るの?前からそうだった?」と尋ねると面白いことを言う。
「車を運転するようになってからかな。なんか、どこへでも行けるような気がした」
今、彼女は新しいことに挑戦している。
ある一定の年齢になると、長年培ってきたスキルを職場で充分に役立てる機会が少なくなるらしい。しかし、彼女はそういう状況に甘んずることなく、誰の為でもない、自分の為に更にスキルを向上させようと難しい資格に挑戦することを決心した。時には職場で不満のようなものが沸々と湧いてくることもあるが、家へ戻ったらそんなことは自分の頭の中から追い出し、ひたすら勉強に集中しているという。
自分の価値は自分で高め、自分で決める。「凄いなあ、この人」と、あらためて思う。
特別なことは何もない旅だったが、心は充分に満たされ、モチベーションが上がった。
時に辛辣な言葉を忌憚なく言ってくれるこの友は、私にとって有り難い存在である。
試験は秋。昨日の日曜日、学問の神様である湯島天神にお参りしてきた。