銀座の伊東屋でひな祭りのカードを見ていたら、遠くに住む友人の顔が浮かんだ。たくさんの中から「どれが彼女らしいだろう」と考えながら1枚を選んだ。
この冬のNYは極寒だったらしい。ひな祭りの頃には、肌に触れる空気が春が近いことを知らせてくれると思う。
数行の簡単なメッセージを書いた。封書の宛名・住所を注意深く書いていると、彼女が住んでいるアパート付近の様子が頭に浮かぶ。
小さな封筒が海を越えて、NYブルックリンのアパートの郵便受けに差し込まれることを想像しながら、ポストに投函した。
手を離れてしまえば、あとは忘れてしまうタチである。
すっかり忘れた頃に、友からの便りがあるのが、これまた嬉しい。
心地よい距離を保ちながら、友を大切に想う。