週末、探し物があって神楽坂まで出かけた。

 

晴天の日曜日ということもありJR飯田橋駅は大混雑、改札を出て徒歩3分ほどの神楽坂の街は大勢の人で溢れていた。いくつかの店舗を探索した後、残念ながら探していた物は見つからなかったが気持ちの良いお天気だったので少し散策してみようと思った。

 

飯田橋の駅方向へ戻り、そのまま駅を通り過ぎて路地を歩いていると「東京のお伊勢さま」と称されている東京大神宮があった。せっかくだからお参りをしようと思ったがたくさんの人たちが並んでいる。すぐに諦めてさらに小さな道を歩いた。

 

適当に進んで行ったら自分がどのへんにいるのかわからなくなったが、迷子になってもたいして困ることはないだろうと歩き続けた。

 

路地裏にあるインド料理レストラン、占いカフェ、もう一度行こうと思ってもたどり着けないかも知れない。

 

そのうち歩いている人も少なくなり、私の前方にはひとりの女性だけが歩いていた。長い白髪をアップにして、ゆるりと素敵な装いをした年配の女性だった。彼女は早足にどんどん進んで行った。短いトンネルがあった。「こんなところに?」と思いながらも進んだ。古くて内側に文字がたくさん書かれたトンネルを抜けて、その女性は右へ曲がったが、それはかなり急な上り坂。私は左の下り坂を下りて、大通りを右へ曲がった。

 

歩いていると地下鉄の九段下駅が見えた。そこを通り過ぎると、昭和館、九段会館テラス。

 

皇居が見えてきた。平日に比べると圧倒的に走る車も人も少ない。

 

人のいない丸の内のビル群は閑散としている。空気が綺麗に感じる。すっきりと洗練された姿の高層ビルが凛とそびえたっている。ほとんど人がいないビルの間を歩いていると心が癒やされた気分になった。

 

東京駅に近づくにつれてどんどん人も多くなり、ついさっきまでの静けさからまったく別の世界に出てしまったように感じる。

 

知らない道を歩き、意外なものを見つけた。私にとって、休日の丸の内の高層ビル群は癒やしの場になることに気づいたのである。