淺草へ行く裏道、信号のない横断歩道がいくつかある。わりと交通量の多い2車線道路、なかなか車が停まってくれない。左右を見て「あの車が通り過ぎたら渡れるな」と予測する。それでも次から次へと車が途切れない時がある。

 

つい先日、左を見ると小さなオートバイを先頭に車が10台ほど続いていた。

 

「あ〜、けっこう長いなあ」と諦めていたら、先頭を走っていた原付きバイクが停まってくれた。当然、後ろの車は数珠つなぎに停まっている。

 

早足に横断歩道を渡りながらオートバイの方を向くと、ヘルメットの中に若い女性の顔が見えた。

 

2週間ほど前のネットニュースに興味深い記事が掲載されていた。

 

車が止まってくれず、なかなか渡れない“信号機のない横断歩道”に困り果てた小学6年生の男の子(岐阜県在住)が、夏休みの自由研究として車が止まってくれるまでに何台通りすぎていったかを数えるというもの。

 

今年7月、朝7時半から夜7時まで30分おきに12日間調査したところ、最も止まらない車が多かった時間帯は、午前8時から8時半までの30分間で、この時間帯に通り過ぎた車の数は平均5.2台という結果に。通勤時間帯で交通量が多いときほど、車が止まってくれないことがわかった。

 

さらに、止まってくれる車と運転手の特徴まで調べた。

 

「やさしい顔のおじいちゃんは止まってくれて、トラックは止まってくれて、いかつい兄ちゃんは見た目のわりに止まってくれた」

 

研究の結果、止まってくれやすい車は「やさしい顔のおじいちゃん」「いかついお兄さん」「大きな車」

 

この調査結果を夏休み明けに自由研究として提出しただけでなく警察にも報告した。それをもとに、交通安全を呼びかけるためのチラシを製作。(中京テレビニュースより一部抜粋)

 

昨日、鷲神社の酉の市が催されていた。信号のないその横断歩道はいつもよりも車が通る。やはり、停車せずに通り過ぎる車の多いこと。やっと停まってくれた乗用車、どんな人だろうと思って顔を見ると、たまたまだとは思うけれども、少年の言う通り優しそうな年配の男性だった。

 

警察が少年の自由研究を今後の対策に役立ててくれることを期待している。