スーパーに山積みにされていた魚肉ソーセージ。最近、テレビで話題になっていたのを思い出した。中学、高校のお弁当に毎日のように入っていたソーセージ。懐かしくなり、4本が一束になっていたそれをひとつバスケットに入れた。

 

昭和7年生まれの母は洒落た料理が作れる人ではなかった。大抵、卵焼き、ソーセージ、鮭の切り身、ご飯の上には片面に醤油をつけた海苔。日替わりで鮭の切り身が肉になり、ソーセージがタコウィンナーになった。

 

高校を卒業して以来、魚肉ソーセージを食べたことはない。どんな味だったろうか。

 

鮭の切り身はないから瓶詰めの鮭フレークを白米にまぶし、シンプルな卵焼き、それにソーセージを焼いて最後に醤油をからめる。

 

母の手作り弁当のつもりで食べる。「こんな味だった?」遠い記憶しかない。ちょっと違うような気がするが、減塩30%を選んだのが原因かも知れない。昭和の時代、減塩商品などあまりなかったと思う。

 

それでも、なんとなく母の味は蘇った。確か、こんな味だったと。

 

残り3本、ちょっとレシピを変えて、更に美味しく食べてみようと思う。

 

小学1年生の時の遠足のおやつに“ポテトチップス”が入っていた。それは小さな袋に入っていて、ちょうど小学1年生のおやつにぴったりの量。1枚を口の中にいれたら美味しさが広がった。母にしては洒落たものを選んでくれた、と子供心に思った。数日後、まだ幼稚園児だった妹を連れてスーパーへ探しに行った。

 

どうしても思い出したくて、ネットで検索すると「たぶん、これ!」というものが見つかった。おそらく湖池屋さんが発売したもの。

 

はっきりとした記憶ではないのだが、そのパッケージの写真に母を想う。