最近、ネットで動画を見ていると頻繁に現れるShen Yun(シェンユン芸術団)のCM。

その練習風景は目を見張るものがある。何度も繰り返されるハードな練習、団員たちの驚異的な身体能力、美しい動き、高度な技に挑む姿勢。

 

Shen Yun Performing Arts(神韻芸術団)とは、中国の古典舞踊や民族舞踊を披露する舞台芸術団体である。米国ニューヨークに拠点を置き、演目は中国の伝統文化、歴史の物語を表現するものが多く、独自のオーケストラ「神韻交響楽団」を有する。(Wikipedia より)

 

2007年NYで初ステージの時、無料の招待券を頂いたが、当時は仕事が忙しくチケットを人に譲った。正直、あまり興味もなかった。天女のようなひらひらした衣装を纏った舞踏団というイメージだった。

 

ここのところ立て続けに見た練習の様子、これは実際のステージを見てみたいと思い年末、新春のチケットを探してみたが、一番良い席が30,000円、一番お手頃な席で10,000円。せっかく観るなら前方の席が良いのだけれども、どうやらお気軽に鑑賞できるものではないらしい。(開催される場所により価格が異なる)

 

「あ〜、あの時に観ておけば良かった!」と思うが、本番のステージの様子だけを映したCMでは興味がわかなかったと思う。高度な技に挑む緊張感あふれる練習風景に興味を引かれた。繰り返される練習を経て、優雅に微笑んで演じる姿を観たいと思ったのである。

 

NY在住の頃、ダンサーを目指す女子5名が日本からやってきた。まだ20才くらいの彼女たちは元気ハツラツに輝いていた。2週間ほどマンハッタンにあるダンススクールに通う為にスタジオの近くにホテルをとった。

 

彼女たちは日中はブロードウェー近辺にあるスタジオへ通い、私は夕食時だけ一緒に過ごした。ある日、スタジオに見学に来てほしいという。「先生がカッコいいの!」と、まだまだ子供の顔を見せる。

 

学校に入るとレオタード姿の若い人たちが廊下を歩きまわり、ガラス張りの各スタジオの中では皆が真剣に練習をしている。

 

私は彼女たちに気づかれないようにスタジオの外の隅で練習の様子を見た。観光や夕食の時にはかしましく、ぎゃーぎゃー笑う彼女たちが、先生の言葉をひとつも聞き逃すまいと真剣な面持ちで耳を傾け、一緒に練習を受けている他の生徒たちに少しも引けを取らない動きを見せていた。

 

そこには活気的なエネルギーが溢れ、埃が舞っているような空気も生徒たちの意気込みのように感じた。

 

Shen Yunの練習風景を見て、ふと、彼女たちの姿を思い出した。