数年前に買ったザルとボウルのセット。使いやすくてお気に入りだったがザルに小さな穴が空き、底についている金具も取れてしまった。しばらくそのまま使っていたが、穴があいているところに手が引っかかると痛い。怪我をしないうちに買い替えようと思っていたある日、雑貨店が入っているビルの前を通った。

 

いま買ってしまおうとキッチン用品売り場に行くとちょうどセールになっている。問題は現在使用しているボールにぴったり合うかどうか。大きさを測ってくれば良かったと思ったが既に遅し。「また今度」と思っているとどんどん先延ばしになるような気がしたので、目測で判断することにした。

 

帰宅して確認すると、サイズが違った。ボールと重ね合わせると2~3センチ浮く。まあ、使えるだろう。ボールとぴったりサイズが合わなくても、気になるのは使う人間だけ。その私が特に気にならないのだからまったく問題ない。

 

友人と会った日、彼女がキッチンのシンクの下に置くゴミ箱がほしいという。ホームセンターへ探しに行く。色、大きさ、使い勝手、いろいろ迷ったあげく決まらない。結局、次回にするという。

 

数週間後に会った時、驚いたコトに彼女はまだゴミ箱を買っていなかった。また、探しに行く。そして迷いまた買わない。ゴミ箱ひとつにこれだけ考える必要があるだろうかと思うが、それが彼女である。

 

私は見えるところだけ綺麗にしがちの人間。一方、彼女はクロゼットの中や引き出しの中、見えないところまで教科書のお手本のように整理整頓している。

 

やはり買い物の仕方にも性格が現れるものだと思う。

 

少し大きかったザル、私はもうすっかり使い慣れてまったく不便を感じない。