3年前、突然、NYの友人Mさんのご主人からメールが入りMさんが亡くなったことを知らされた。ご主人はMさんのメールにアクセスして私へ連絡して下さった。Mさんは私の元同僚であり、その後は友人として関係が続いていた。
友人の父上が亡くなった時のこと。普段から父上の仕事関係、交友関係をよく知らなかった家族。葬儀のお知らせをするために、スマホの中の連絡先を見ようとしたがロックされていた。このロックを解除するには30万円の費用がかかるという。家族会議の結果、ロックの解除はせずにたまたまかかってきた電話の方々に事情を話し、父上の交友関係を教えてもらったという。
今はほとんどの人が携帯を持っている。連絡先はすべてそこに保存されており、家族でも交友関係を知らないことが多い。友人の父上が亡くなった時と同樣に、誰に連絡をしたら良いのかわからないこともある。
先日、遠くに住む友人とその話題になった。
「あなにもしものコトがあったら、ご主人から連絡をもらえるわよね」と私。
「そんなことが出来る人じゃない」「そもそも、そんなことを知ってどうする」と言う。
えっ? なんと! 予想外の言葉・・・
友人曰く「万が一のことがあったら、そのうち携帯が繋がらなくなるから、そうしたらもうこの世にいないんだって思ってくれたらいいわ」とのこと。携帯は解約しないと料金がかかるだけだから、夫はすぐに切るだろうと。
なるほど。すぐというわけにはいかないかもしれないけれども、いずれ解約する。
私はPCは指紋認証、スマホも暗証番号を入れないと開かないようにしてある。
NYのMさんが亡くなったあと、自分に何か起きたときの為にリストを作成した。人数はとても少ない。この人に連絡を入れたら誰々にも伝わるだろう方式である。
でも、今回友人と話して少し考えが変わった。仕事関係や頻繁に連絡を取り合っている数少ない人以外は、携帯が繋がらなくなったら、もしかして・・・と考えて頂くこともありかなと。
3年前に作成したリストを見直して、数人の名前を削除した。数年で人間関係は変わる。
これを繰り返すうちに、最後には片手で数えるほどの人数になりそうである。