学生の頃、東京から帰省する度に母が出迎えてくれた駅の改札。
夜行寝台車がホームに到着し、そこから階段を上り、長い通路を海を眺めながら歩く。重い荷物を引きずり、改札へ通じる階段を一段ずつゆっくり降りた真ん中あたりから母の姿が見えた。それは母が他界しても、私の頭の中にいつも現れた姿である。
その故郷の駅がついに新しくなった。
昔の面影はどこにもなく、都会的に様変わりした。
この新しい駅を誰かがまた懐かしく思い、慈しむ時が来る。
と考えると、寂しい反面、胸があたたかくなるのである。
学生の頃、東京から帰省する度に母が出迎えてくれた駅の改札。
夜行寝台車がホームに到着し、そこから階段を上り、長い通路を海を眺めながら歩く。重い荷物を引きずり、改札へ通じる階段を一段ずつゆっくり降りた真ん中あたりから母の姿が見えた。それは母が他界しても、私の頭の中にいつも現れた姿である。
その故郷の駅がついに新しくなった。
昔の面影はどこにもなく、都会的に様変わりした。
この新しい駅を誰かがまた懐かしく思い、慈しむ時が来る。
と考えると、寂しい反面、胸があたたかくなるのである。