7月4日はアメリカの独立記念日。

YouTubeでNYマンハッタン・ハドソン川上空での花火ショーのライブ映像を見る。

爆音と共にあがる大輪の花火は壮大である。

 

ライブで花火を見たのはずっと昔、マンハッタンの南東にあるサウス・ストリート・シーポートPier 17でのこと。30~40分ほどの花火の為に何時間も前から陣地取りをした。夕方に近づくにつれてどんどん人が押し寄せて来る。肝心の花火のことは何も覚えていないが、その日の暑さと終わってからの道のり、行列をつくって駅まで向かい、地下鉄の中は人の汗の匂いと疲労の空気。花火と人のエネルギーの残像。でも、それは嫌な疲れではない。充分に楽しんだあとの倦怠感。

 

ハドソン川上空の花火は終わり、ブルックリンにあるコニーアイランド(NYブルックリンの南端にある半島および地区)の小さな花火が映し出される。遊園地のきらびやかに光る色とりどりの電飾が宝石箱のように映る。ジェットコースター、観覧車、メリーゴランドなどがゆっくり動いている。夜の遊園地は日中よりも何倍も気持ちをわくわくさせる不思議な力がある。

 

生まれ故郷のNYを離れて30数年の友は「まったくNYを恋しく思う気持ちはない。アメリカに未練はない!」と常々言っている。逆にNYの悪口を言ったりするから憎らしい。

 

しかし、独立記念日の花火を観て、アメリカ人らしく大声をあげて花火に歓声を送る。

「あのビルは何だ?」と聞かれ私が答える。たまに父親のいるフロリダに行くことはあってもNYには長い間行っていない、浦島太郎である。「どう、NYが恋しくなったか」との問に「ぜんぜん!」と答えが戻ってくる。

 

独立記念日の花火を目を輝かせて観ることと、故郷を恋しいと思う気持ちはまったく別物らしい。

 

私はとっても恋しいけど!