話し上手、聞き上手 | Y's Diary

話が上手な友人がいる。彼女の話は「うん、うん、それで?」とその先の成り行きに興味が湧く。

例えそれが愚痴であってもまったく嫌な気がしない、不思議な話術をもっている。

 

過度に感情を高ぶらせることなく、物語を話聞かせるように伝えることが出来るのは、きっと、その出来事を客観的にとらえているからだと思う。

 

否定的な強い感情を再現せずに、起きた事実だけを順序立てて、感情の抑揚を最小限に抑えて話す。

決して笑い事ではないのに、時には信じられないほどユーモラスに。私は彼女を素晴らししストーリーテラーだと思っている。

 

独身だと思っていた彼に実は奥さんがいたとか、怪しい占い師に大金をだまし取られたとか、アパートの天井から突然大量の水が吹き出したとか、出来事の前後の様子も含めて淡々と話すのである。「え〜!」とか「ホントに!」と聞いているこちらは驚くが、本人は「そうなのよ」とあっさりしているのである。

 

起きたことをいつまでも引きずらず、淡々と日々を生きている姿は潔く感じるし、彼女の生き方が話術に現れているような気がする。

 

私の話を上手に聞いてくれる友人もいる。

彼女はとりあえず、最後まで話を聞いてくれる。相槌はうつが、途中で話を遮ることはしない。

 

一通り話を聞いたあと、共感できるところは共感し、共感できないところは「そうかあ、そう思ったんだ」とだけ言う。

 

理不尽だとわかっていながら、自分から相談したことでも相手から意に反した言葉を言われると腹が立つことがある。彼女は相手のそういう気持ちがわかっているようである。ただし、こちらがアドバイスを求めれば、それなりに辛辣な厳しい意見も言ってくれる。

 

滅多に人に話を聞いてもらうことはないが、聞き上手な友がいることはとても有り難いことだと思っている。