図書館で本を読み、帰りがけにふと手に取った本。パラパラとページをめくっただけでタイトルも筆者名も記録しなかったが、近いうちにまた行って書き記したいと思う。

 

“失ったものを年代順に書いてみる。その失ったものから得たものを考えてみる”

 

失ったものが大きければ大きいほど、そこから学んだことは大きい。

辛ければ辛いほど、そこから学んだことは大きい、と思いたい。

 

失って嘆くばかりでなく、そこから学んだことを見い出せば失ったものに執着せずに手放すことができるのかも知れない。

 

「子供の頃は良かった。何不自由なくほしいものは何でも買ってもらえて、学生時代までは本当に楽しかった」とまるで子供時代を“失ったもの”のように嘆く友人がいる。現在の彼女が生活に困っているというわけではないのに。

 

長いあいだ家に閉じこもって不平不満ばかり言い続けていた彼女だが、最近になって空いている時間を使って外で仕事をするようになった。若い頃にやっていた仕事を復活させたらしい。最初は戸惑ったがすぐに勘を取り戻せたことに自分でも驚いているという。

 

その仕事に通い始めて「楽しい」という言葉を彼女から聞いてとても嬉しくなった。話す度に「あの時は楽しかった」と昔のことしか聞いていなかったから。最近は過去のことではなく現在の話しをするようになってきた。勇気を出し、一歩踏み出したことで得たものは大きい。

 

私も楽しかった時代のことをまるで失ったことのように思い出していた時期があった。その頃からずいぶんと月日がたち、今ではその貴重な経験に感謝しかない。

 

年代順に失ったものを思い出してそこから得たものをじっくり考えていくと、思いも寄らない宝が掘り起こされるかも知れない。