大勢の人生を変えたある女性の寄付 | Y's Diary

NYにあるアルバート・アインシュタイン医科大学(Albert Einstein College of Medicine)

~授業料が半永久的に無償。

 

ルース・ゴッテスマン理事長(93)から大学への10億ドル(約1500億円)の寄付により、

今年8月から授業料が半永久的に無償化となると発表された。

 

2022年に96歳で死去したルース理事長の夫が、投資家のウォーレン・バフェット氏率いる投資会社へ早い段階から投資し莫大な富を築いた。巨額の遺産について「自分が正しいと思うことをしてほしい」との意思を伝えられたとのこと。

 

ルース・ゴッテスマン理事長は数十人の高校生たちと直接会い、彼らの悩みを聞き、高い学費が彼らの夢を押さえつけていることに気づき、寄付を決心したという。

 

同大学の1年間の授業料は1人当たり約6万ドル。寄付金の4〜5%で1年の授業料は賄われ、残額の

利息や投資で半永久的に無償化が可能になる仕組み。

 

米国の医学生は約7割が学生ローンを抱えたまま卒業し、ローンの平均額は20万ドルに達するとの

こと。

 

無償化の知らせに学生たちは歓声をあげ、跳び上がって喜び、涙を流す姿が映し出された。

両親の重い負担がなくなったと安堵する生徒もいる。

 

それほどアメリカの大学生が抱えるローンの負担は大きく、私が出会ったアメリカ人のほとんどは

30代〜40代で毎月ローンを支払い続けていた。ひとりだけローン返済のない女性がいたが

「私はとてもラッキーなの。父親が若い時に他国から大きな野心を抱いてアメリカに移住し、必死に

働いて財をなした。そもそも、それがラッキー。私は自分が望む環境の良い大学へ行くことができ、

全部父が支払ってくれた、本当に私は恵まれている。でも、私のような人はそれほど多くない、みんな大変なのよ」と神妙な面持ちで話してくれたことがある。

 

数年前に勤めていたNYのクリニックの経営者兼ドクターは50歳になる数年前にやっとローン返済が

終了したという。また、当時30代後半のドクターが「まだまだローンが残っている」とため息をついていた姿を思い出す。

 

この大学の合格率は非常に低く、今後、授業料の無償化により更に難関になるだろうと予測されている。現役学生のなんと幸運なこと!このニュースを知った瞬間、どんなに嬉しかったことか。

 

映像から彼らの喜びが伝わってきて、私まで嬉しくなった。

 

「ルース・ゴッテスマン理事長の寄付は多くの人たちの人生を変えた」と報道されていたが、まさに

その通りだと思う。

 

アルバート・アインシュタイン医科大学の最高経営責任者であるフィリップ・オズア氏が以下のようにコメントしている。

 

「大学側はゴテスマンさんの名を冠して大学の名前を変更することを提案したが辞退されました。

 栄誉、称賛、承認を求めずに、ただ人の幸福の為に尽くす方です」

 

このニュースに感銘を受けたのである。