数年前に散歩の途中で立ち寄った上野のお寺、宋雲院のテラデマルシェ。
装飾品や食べ物の小さなお店が見ているだけで楽しかった。
そこの庭の片隅にどっしりした丸い石の器に水を入れ鮮やかな多種の花が浮かべてあった。
なんと可愛らしい、思わず引き寄せられてしまった。
この時、花手水という言葉を知らなかった。
素敵なことをするなあ、と思ったのだ。
帰宅してからネットで調べた。
神社やお寺で参拝をするとき、柄杓(ひしゃく)で水をすくって身と心を清める場所を手水舎
(ちょうずしゃ)という。手水舎の手水鉢(ちょうずばち)に花を浮かべたものが花手水(はなちょうず)。 花手水には季節の旬な花々を浮かべるのが定番となっており、彩り豊かなのも特徴である。
上野駅から徒歩6分〜7分にある下谷神社は、毎月1日に花を替えるとのこと。
お天気に恵まれた週末に訪れたら、彩り豊かな花が溢れんばかりに水を飾っていた。
美しい紫色のアイリス、色とりどりの大輪の菊、トルコキキョウ、小さなピンクの蕾が開きかけた
桃の枝など。あまりに鮮やかで自分のふたつの眼球がそれらの花色に染まったような感覚になる。
ハッと心を掴む魅力が花にはある。
知らない言葉がたくさんある。見たことのない美しいものがたくさんある。
これからどんな出会いがあるだろうか、楽しみである。