先日行った映画館、前から4番目の真ん中から少し右側に席をとった。両隣は空席。ひとつ前の列の

ひとつ右側に若い男性がひとり、ふわりと鼻につくパフュームと共にやってきた。劇場の照明が落とされて暗くなると、彼は紙袋からハンバーガーを取り出して食べ始める。ハンバーガーを包む紙の音が

ガサガサ、まだ本編は始まっていないから気にはならない。

 

そういえば、自分が若かった頃、仕事を終えてから映画を観るときは、同僚と巻き寿司弁当の折を買って食べていた。今では考えられないことかも知れないが、当時は珍しくなかった、と思う。

 

今も昔も、映画館では前列の方に座る。さすがに1番前に座ることはなくなったが、だいたい4番目

から7番目あたり。

 

いつだったか、小劇場でのこと。その日は7列目くらいの左寄りの席に座っていた。1番前の真ん中に座った年配の男性がいたので「見にくくないのかな」と思っていたら、すぐにその男性は4列目か5列目の真ん中に座りなおした。

 

するとその男性の隣に若い男性がやってきた。自分のチケットを確認している様子が伺える。たぶん、隣に人がいない席を選んだと思うのだが、どうして隣に人がいるのだろうと不思議だったと思う。

 

劇場は空いており、カップルや友人同士以外で二人並んで座っている席はそこだけだった。

妙な光景である。

 

しばらくして、若い男性は席を立ち館内から出て行った。すぐに、劇場のスタッフらしき人が来て年配の男性に問いかけた。男性は「1番前の席を取ったのだけど見にくかったから」と説明、スタッフに

促され違う席へ移動した。

 

照明が落とされ暗くなってから若い男性は元の場所へ戻ってきた。

 

あれだけ空いているならば、年配の男性が劇場のスタッフに相談すれば対処してくれたのではないだろうかと思う。

 

私が映画を観る時にいちばん気をつけることは、スマホをマナーモードにすること。しつこいくらい

確認する。

 

落語や講談の最中にお客さんの携帯が鳴り出すことがたまにあるらしい。

神田伯山氏のラジオでそれを散々聞いてからは更に気をつけるようにしている。

でも、今までに一度も映画館で誰かの携帯が鳴ったのを聞いたことはない。

 

先日の前列に座った男性のパフュームは程よく空気に馴染み2時間半の上映中気持ち良く映画を観る

ことができた。