山頂へ向かう途中にあるヨーロッパの山小屋。
登山好きなカップルが経営している。スープ、チーズ、ワイン、温かい料理でゲストを迎える。ゲスト皆でテーブルをセッティングし、料理を運び、会話がはずむ。静かな夜の山に笑い声が響く。彼らの笑顔はとても健康的で山の空気のように透明に輝いて見える。その後は皆で寝床を作り静かな眠りにつく。まだ暗い夜明け前に出発する人たちは、他の人を起こさないように息を潜めて山小屋を後にする。登頂を目指す人達たちの一期一会。
この映像を見て登山者が集う山小屋に興味を持ちいろいろと検索するうちに出会ったのが
“かほの登山日記”。
かほさんは国内外の山に登る。登山の準備から現地での様子、登山に必要な準備など親切な動画が多数ある。海外へ向かうフライトの様子、山頂へ向かう途中の山小屋での様子、登頂中の様子、テント内での様子など。食べっぷりの良い食欲旺盛な姿を見るのは気持ちが良い。元気で笑顔の素敵な女性である。かほさんを見ていると、“健全なる精神は健全なる身体に宿る”という言葉が思い浮かぶ。
しかし、私はこの言葉の意味を長いあいだ間違って解釈していた。
「身体が健康であれば、精神も健全になる」 と解釈していたのだが、本来は「大欲を抱かず、健康な身体に健全な精神が宿るように望むべきである」という意味とのこと。この名言は、古代ローマの詩人、デキムス・ユニウス・ユウェナリスの著作『風刺詩集』の一説であり、現実での人間の大欲を嘆き、訴えていたという。
登山のドキュメンタリーを見ていると山頂までの過程は時には危険で、とても苦しそうである。そして、目標地点に達した時の達成感の笑顔、絶景を眺める表情が素晴らしい。そこまで辿り着くには苦しくて長い過程があるのにまた登りたいと思うのは、目的地に達した時の感情が、山に登ったことのない私には想像も出来ないような感動的なものだからだと思う。
女性として世界初のエベレスト登頂者である登山家・田部井 淳子さんのインタビュー記事「未知を楽しむ それが登山 そして人生」との言葉がある。
登山の映像を見ているとポジティブなエネルギーとパワー、生命力を感じる。命がけで登る緊張感も伝わってくる。
ちょうど今朝、アンナプルナ(ネパール‐ヒマラヤ中央部の連峰)の映像がTVの画面に映し出された。息をのむほど美しいこの山は「キラーマウンテン」と呼ばれているほど非常に危険度の高い山。
そこへ向かう登山家の方々にエールを送りつつ、元気で下山されることを祈る。