イタリア人と結婚した漫画家のヤマザキマリさん。イタリアにいる時はパートナーの家族との会話が

とても賑やかであるとのこと。映画やTVドラマでもイタリア人はよく喋る。

ヤマザキさんが日本で数人のご友人と一緒に食事をした時、久々に会話中の自分の声が聞こえたと

いう。イタリアでは皆が同時に話をするので自分の声がかき消されるようであるが、この食事会では

ヤマザキさんの声しか聞こえなかった様子。

 

ヤマザキさんのお話はとても面白くて楽しい。イタリアへ行くきっかけ、幼少期の家族との思い出、

結婚など。「もっと聞きたい!」と思う。

 

イタリア系アメリカ人と結婚した友人がいる。感謝祭やクリスマスには家族が全員集まって食事をする。旦那さまは3人兄弟、それぞれが結婚して家族がいる。10数人が集まってテーブルを囲む風景は賑やかで楽しそうであるが、実際には大変疲れるものらしい。

 

まず、皆が一斉に話し始めるとのこと。声が重なる。自分の声が他の人の声で消されるから大声になる。人の話を聞くのではなく、自分の言いたいことを話す。喧嘩ではないが、まるで言い争っている

ような風景とのこと。

 

「私は気が変になりそうだわ!」と言っていた友人であるが、数年が経つうちにずいぶんと彼女の話し方も変わってきた。これはイタリア系家族の影響か、それともアメリカという土地の影響か。

 

我が家は夫婦ふたりでの食事になる。知り合った当初はいろいろと話しをしながらだったが、数年後にはTVを見ながら食事をするようになった。相手の話は上の空になる。だいたい、私がひとりで話すことが多い。夫は「へ〜、そうなんだ」とか「ふ〜ん、大変だね」とか相槌をうつが、話しなど聞いておらず、反射的に上手に応答しているだけである。その証拠に話したはずの事柄に関して、平気で何度も同じ質問をしてくる。

 

先日、親戚が集まる機会があった。久々の集合であったから会話が止まらない。他界した叔母の思い出話を皆が話すものだから声が重なり、皆、どんどん声が大きくなり、笑い声も聞こえて来る。飾ってある叔母の大きな写真が笑顔なものだから、その様子を見て喜んでいるように見えた。

 

毎日は厳しいが、たまには自分の声が聞こえないほどの賑やかな会席も楽しいものだと思う。