数日前にスーパーマーケットで買ってきた“乾燥エビちりめん”を料理に使おうと思って手に取ったら、

何やらパラパラと落ちてくる。まだ封を切っていない袋である。未使用である。中からエビちりめんが落ちてくるはずがない。じっくりと目を凝らしてみた。見ただけではわからない。商品が透けて見える透明の袋をそっと撫でるように触ってみた。商品袋の真ん中から少しずれたところに穴が空いている。そこから中身が出てきていたのである。穴の様子を見たくて中身をジップロックバッグに入れ替えた。穴は尖ったものが刺さったとか、ねずみが齧ったものには見えない。熱で溶けたような、そんな感じだった。大きさは直径1センチもないくらいである。

 

現金で買ったがレシートは捨ててしまっている。だから、新しい物への交換、返品は出来ないのだろうなあと思いながらも、どうせ買い物へ行くついで、報告というつもりで話してこようと思い、穴の空いた商品の袋と別の袋へ入れ替えた中身を買い物袋の中へ入れた。

 

幸運にも店内は空いていた。サービスカウンターの女性に事情を話したらすぐに電話で誰かに連絡を取り「すぐに上の者が参りますので」とのこと。間もなくやってきた責任者らしき男性に商品をお見せする。

 

「間違いなくうちの商品ですので、返品か交換をさせて頂きます」と丁寧に応対して下さった。

領収書がなくても問題ないとのこと、私の要望で新しい商品と交換してもらった。

「お知らせ頂いてありがとうございます。今後のためになります。」「わざわざお持ち頂きまして申し訳ございません」と、責任者の男性とサービスカウンターの女性のお二人に深々と頭を下げられて恐縮してしまった。

 

あまりにも素晴らしい応対にこちらの方が申し訳ないような気持ちになり、今後は買う時に充分に気をつけてこのようなことが起きないようにと思ったのであった。