夏の終わり、友人の紹介でやっと見つかった新しい美容室。

お正月を迎える前にさっぱりしようと予約を入れた。

 

帰りはまた門前仲町にある深川不動尊でお参りをしよう。

仲見世でおせんべいも買いたいし。

 

1時間前にアパートを出て美容室には15分程前に到着するはず。

遅れることが嫌な性分である。そして方向音痴という性質からいつも早めに行動する。

 

茅場町で東西線に乗り換えて2つ目の駅で降りて徒歩15分。

お天気も良いし、早く到着したら近くの公園を散歩しよう、と思っていたら反対側の電車に乗ってしまった。「次は大手町」というアナウンスに気づき「えっ?」

そこで降りて正しい電車に乗り換え目的駅に到着。そこから清須白河まで歩く。

 

公園を散歩する時間もなく、ちょうど良い時刻に到着した。

 

早速、こうしてほしいと要望を伝え安堵したところ、担当のTさんが今月末で生まれ故郷へ帰るという

知らせを受けた。

 

ええ!せっかく出会えたのに!

 

ご両親が故郷で美容室を経営なさっているとのこと。ご両親はどんなにお喜びかと思う。

12月31日の新幹線に乗り大晦日は雪国で過ごす、と嬉しそうである。

 

「新しい環境で頑張って下さい、素晴らしい新年をお迎え下さい」と笑顔でお別れをした。

残念だけれども、笑顔での別れはいいものだなあ、と振り返りまた手を振る。

 

翌日、鏡を見て思う。

髪の毛の色、カット、今回は自分の望み以上に大満足である。

やはり、Tさんとのお別れは残念でならない。