今回の帰省で従兄弟たちと会い、珍しくそれぞれの親のこと以外の話になった。

子供のこと、夫婦のこと、自分のこと、今まで口にすることのなかった話題が出るようになったのは

お互いが年を重ね人間が柔らかくなってきたからなのだろうか。

 

皆それぞれに想像もしなかった意外な問題を抱えており、きちんとその難しい問題と向き合っている。

 

「どうしてこうなってしまったのだろう」と思い悩みながらも、良い方向へ行くように努力を続ける

しかない。

 

友人に話せないことはたくさんある。でも一人で思い悩むと行き詰まる。

 

お互いにそれぞれの悩みを解決することは出来ないけれども、話を聞いてもらうだけで少し心が落ち

着く。

 

「自分に何が出来るだろうか」と心の中で思いつつ、結局出来ることはほとんどないのだけれど、

余計な言葉を言わず、話を聞くことだけは出来る。可能なかぎり理解しようと努める姿勢はとりたい。

 

「人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている」(大人の流儀 著:伊集院静)

 

自分だけではない。

何もないような顔をして生活している人にも辛さや痛みがあり、それを表に現さずに日々の生活を

送っている。

 

そんな当然のことを忘れがちになる時がある。

 

私自身の思考がちょっとずれた方向へ行きそうになった時、それを修正してくれる大切な言葉である。