よっぽどのことがないかぎり、毎朝のヨガは欠かさない。
通常は1時間、短い時は30分ほど。
NYで通っていたヨガクラスのインストラクター、ゆかり・スパドーニさんは身体を可能な限り伸ばす
スタイル。
今日はそれを意識してやってみようと、ゆかりさんが指導する姿と声を思い出していつものアーサナを
始める。
手・足・脇腹、背中の筋肉、あらゆる箇所を伸ばすことを意識するといつもよりも時間がかかる。
「もっと伸ばして!まだ伸びる!まだ伸びる!」
ゆかりさんの声を頭の中で聞きながらしっかり身体を伸ばしていたら、いつもと同じことをしていても時間が長くかかる。
普段、どこで手を抜いていたか気付かされる。
最後のポーズ・シャバーサナ(屍のポーズ)。
マットに仰向けになり目を閉じて身体全体の力を抜く。ゆかりさんのクラスではだいたい5〜10分。ゆかりさんはいつも一人ずつの手足を緩め、最後に両頬を包むようにそっと手をあててくれる。
私はそれが大好きだった。
もうゆかりさんの両手の優しさを頬に感じることが出来ないのはとても寂しい。
朝ヨガのあとに外出したら、身体を思い切り伸ばして開放した後の余韻が全体に残っている。
ゆかりさんのクラスを終えて帰宅する途中、いつもこんな感じだったなあと思いだす。
ゆかりさんの笑顔とスタジオに響き渡る大きな声を忘れない。
突然の訃報に涙が止まらなかった。
ありがとうございました。
心からご冥福をお祈り致します。