YouTube動画のタイトルに目が止まり、「どんな事情で?」と興味をそそられクリックしてみた。
60代の女性、2021年の永住権抽選プログラムに応募し、1年後の2022年に当選の知らせを受け、
今年の8月にLAへ発たれたとのこと。
もともとアメリカが大好きで何度も旅行で訪れ、アメリカで働いてみたい、生活してみたいとずっと
思い続けていたそうである。念願叶っての移住ということになる。
渡米のために、ご自身が経営されていた3代続いた今年で創業74年目を迎える飲食店をクローズしたとのこと。
移住にあたり「キャリアのやりなおしがきくのか」という不安もあるというが、不安よりもワクワク感が大きいとのこと。「年齢を考えるよりも、今、自分がやれることを考える」とポジティブ思考の方である。
移住に踏み切れたことを「鈍感力が功を成した」とおっしゃる。
確かに、大きな行動をする時にはある程度の鈍感力があった方が良いのかもしれない。
LA到着後、日系食品店のイート・イン・スペースでラーメンを食べている外国人にインタビューをしている。その物怖じしない社交性は凄い。
また、他の日系スーパーマーケットで働く日系女性と仲良くなり、そこから情報を得て新たな人脈に
つながっているようである。
LA到着から1週間で既に仕事の面接も受けているという行動力。
彼女のコミュニケーション能力は飛び抜けて高い。初めての土地で生きていくには語学力よりも
コミュニュケーション能力が必要であるのはよく言われることである。
NY図書館のESL(英語を母国語としない人への英語の教育)に通っていた時のことである。
ある日の課題は私達外国人にとってはかなり難題だった。3人一組になり、図書館のすぐ近くに
あるブライアントパークへ行き、そこにいる人たちにインタビューをするというもの。
「まったく知らない人に? 何故、そんな課題? 意地悪なのか?」
私のグループの中で私が最年長だった。か弱い(その時に限って)ふたりの南米系女子は私の背後に
隠れるように立っている。公園の椅子に座っている人たちの顔を見て、優しそうな人を選んで声をかける。ラッキーだった、アメリカ人中年男性は笑みを浮かべながら快くインタビューに答えてくれた。
これをひとり、ふたりと進めると、最初のような緊張感はなくなり、自分が積極的になっているのが
わかる。私の後ろに隠れていたふたりも、「Y子で大丈夫なら私も大丈夫」と自信を持ったのか、進んで知らない人に声をかけるようになった。
NYは外国からの労働者、学生、移民が多いので、多くの人が文法に誤りのあるアクセントの強い英語
でも理解してくれる。これがNY以外だと難しくなる。
課題を終えて図書館の教室に戻った頃には、クラスの皆がけっこう楽しんだ様子であった。
今となっては、良い経験であり、またちょっとした自信にもつながった。
英語力の問題ではなく、コミュニケーション能力が大切だと強く感じた時でもある。
60代でアメリカへ移住されたMIYAKOさんを陰ながら応援している。