「世界の果に、ひろゆきおいてきた」(最終回)

 

旅の最終日前日にタンザニアで合流したミュージシャンのトシ(ToshI)さん。

ひろゆきさんとの対面はお互いのスケジュールの都合で約30分のみ。

その後、ひろゆきさんだけ船に乗ってザンジバル島へ向かい、トシさんと東出さんは行動を共にする。

 

Toshiさんは現地でピアノを弾き歌ってみたいと希望。

翌日、大きな豪邸に用意されていたのは、”白いグランドピアノのカタチをした物体”の鍵盤の位置に

電子ピアノが置かれてもの。ペダルもなく、マイクも音が出ない状況。

 

観客は近所に住む大勢の子供と少年・少女たちが集められた。

 

「機材的には弾けますか?」心配する東出さんに、「ちょっと弾いてみましょう。大丈夫ですね」と

弾き語りを始める。

 

子供たちはトシさんのまわりに座り、真剣な眼差しで耳を傾ける。

歌の途中でキーボードは壊れ、アカペラ。トシさんが皆に手拍子を促し、子供たちは両腕を上にあげてリズムに合わせて大きく振りながら一緒に歌う。

 

歌い終わると、トシ・コールがわき起こり、一人の少年が握手を求めてくる。

 

「神の声を聞いた!マジで興奮した、あなたは偉大な人だ!」

 

口々に「トシ!トシ!」と声をあげる子供たちに見送られて会場を後にするトシさん。

 

その後のトシさんのインタビューを要約。

 

タンザニアで歌いたいと希望していた。自分でもその理由がわからなかった。

それが今、クリアーに分かったような気がする。今まで、芸能人、有名人という看板を背負ってきた。またそういうものがないと人と対峙することが出来なかった。それが支えであり、また一方ではそれを壊したかったのだと思う。今までのこだわり、恐れていたものを全部、子供たちの瞳と笑顔がぶっ壊してくれた。自分がいちばん取り戻したいものがそこにあった。苦しみや辛さ、そういうものがすべて

昇華された。こだわりを捨ててもいいんだ、もっと気軽に、楽しく、自由にやっていいんだということを教えてもらったような気がする。短い時間だったけど、「生まれ変わった」と言っても良いほど。

 

「こういう機会を与えてくれてありがとうございます」と感謝を言葉にした。

 

日本からタンザニアまでの長いフライト、ひろゆきさん、東出さんと合流するまでの長い待ち時間の

後の、”2曲を歌った短い時間”がトシさんにとってどんなに貴重な経験だったかが伝わってくる。

 

嬉々として語るトシさんに感動した。

 

最後に番組プロデューサーの言葉。

 

「人生でいちばん大事な人との出会いは20代とは限らない。死ぬ直前ということもあり得る」

 

なるほど、自分に訪れるかも知れないその出会いが楽しみである。