1)映画 “クライマーズ ハイ” 実話をもとにしたフィクション
1985年8月12日、群馬県御巣鷹山で死者520人という世界最大の航空機事故が起こった。群馬県の
北関東新聞社(架空)を舞台に過去最大の飛行機事故を取材、記事掲載までの葛藤を描いている。
“クライマーズ・ハイ”とは、登山者の興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態。
日航全権デスクである主人公・悠木が生まれて初めて観た映画は“地獄の英雄”(Ace in the hole意味:
最後の切り札 主演:カーク・ダグラス)
その映画の中に現れる田舎の小さな新聞社に務める初老の編集長が、ズボンを支えるためにベルトと
サスペンダーの両方をしている。(“ベルトとサスペンダー”という言葉は、非常に慎重でリスクを負わないことをいう)
主演のカーク・ダグラス:「お見受けしたところ、“チェック ダブル・チェック”(二重に確認する)のお人ですか」
初老の編集長:「その通り、チェック、ダブル・チェックが私の信条だよ」
「そいつを言いたくて新聞記者になったようなもんだ」と悠木。
事故の数日後、もし事実なら全国紙をも出し抜く大スクープとなる情報を現場の記者が掴んだ。
それを記事に載せるかどうか、信ぴょう性を確認させる。朝刊の印刷をぎりぎりまで遅らせて情報を
待ったが100%の確証はなく、悠木は記事の掲載を断念した。
そのスクープは、後日、全国紙の新聞に掲載された。
裏取りもせず間違いを報道し、誤報をとばす記者もいる。
慎重すぎてネタを逃してしまう記者もいる。
ニュースを伝えることの難しさ、記者たちの苦悩や葛藤を描いている。
2)“明日をあきらめない 河北新報のいちばん長い日”
宮城県仙台市に本社を置く河北新報社によるノンフィクション・ドキュメンタリーを原作としたテレビ
ドラマ。
2011年3月11日14時46分に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により、各支局は津波で
流されたり、浸水の被害を受けた。
新聞をつくるのが困難な中、災害協定を結んでいた新潟日報社が地震発生を知らせる号外を作り、そのデータを河北新報社に送信して河北新報社の印刷所で印刷した。
出来る限りの事を尽くし、翌日12日付けの朝刊を印刷し配送。被害の大きかった地域を除き宅配も行われた。通常は26ページだが、この日の朝刊は8ページ。写真を多数掲載し、各地の被害を伝えた。
3月13日(日)には、朝刊と午後には号外も配られた。
実際に新聞を受け取った被災者の方からの手紙がある。
「震災の翌日、河北新報が配達されました。その時の嬉しさを伝えたくてこの手紙を書いています。
電気も止まり何もわからない不安な朝、玄関先に新聞が届いていました。そこだけ日常があるようで
明るい気持ちになりました。取材をして記事を書く人、印刷する人、配達する人、そんな大勢の人達と繋がっていると感じられました。ずっと、新聞イコール・ニュースと思っていましたが、そうではな
かったと気づきました」
「新聞はニュースを伝えるだけではない」
とても大切なことを教えて頂いた。