「果てしなき絶景 マティスの旅〜人生を変える絶景の旅」の一場面。
アンリ・マチスがモロッコ滞在中に立ち寄ったシャウエン。
シャウエンはモロッコ北部の都市。青色の街で有名である。
建物の壁や道路、階段、すべてが青でペイントされているが、同じ青でも濃淡含めて何種類もある。
そのコンビネーションが街を神秘的にしているらしい。
街中を青く塗った理由は諸説ある。 夏の暑さを涼しげな青色で紛らわせるため、虫除けのため、かつてスペインから追われたイスラム教徒がシャウエンに住みついたから、青はイスラム教にとって神聖な色、ユダヤ教の習慣など。いくつもの説があるが決定的なものはないとのこと。
この美しい街のことをもっと知りたい。
モロッコについて調べていると、翻訳家の山川紘矢さん、亜希子さんのYouTubeに辿り着いた。
“アウト・オン・ア・リム”(シャーリー・マクレーン)を翻訳されたご夫妻である。
山川さんご夫妻は今年の6月にモロッコを20日間かけて旅行されたとのこと。
ご夫妻にとってモロッコは今回で2度目、前回は30年前だったという。そのいきさつが興味深い。
30年前、旅行会社を通してパキスタン旅行を計画していたとのこと。しかし、ツアーの人数が集まらずにキャンセル。その代わりに、同時期、同期間、同金額のモロッコ旅行を勧められたという。
モロッコへは一度も行ったことがなかったご夫妻は、そのツアーに参加することを決めた。
そのモロッコ旅行を決めてすぐに、「アルケミスト 夢を旅した少年」の翻訳の依頼があったという。
この本は世界で最も読まれた本の第5位になっている。ちなみに第1位は聖書。
スペイン人の少年・羊飼いのサンチャゴが夢を追いかけて、スペイン・アンダルシアの平原から
モロッコのタンジェ、アフリカのサハラ砂漠を越えてエジプトのピラミッドへ向けて旅をする。
旅の途中でいろいろな人と出会い、様々な出来事に遭遇し、人生を学んでいく物語。
「この本を翻訳するのならモロッコへ行って来い」という導きだったのだろうか、不思議な共時性
だった、という。
シャウエンの街が青く塗られ始めたのは30年ほど前とのこと。
前回の旅行でそこを訪れたのかどうかお話にはなかったが、今回の旅で訪れ、「家の中まで青いおウチもあり、おとぎの国のようだった。人生で一度は行った方が良いかも」と話されている。
私にも何か不思議な巡り合わせが起きないだろうかと願うのである。