南瓜とアボカドは私の大好物であるが、このふたつは選ぶのが難しい。
味の当たり外れが大きい。
先日、スーパーで4分の1カットの南瓜が100円で売られていた。メキシコ産である。果肉の色が
濃く、種もふっくら。これは美味しいかも、と買ってみた。100円ならハズレでも諦めがつく。
あまり期待せずに煮たら、美味しい!ホクホクで味付けはいらないほどであるが、少し塩をふって
ひとかけら食べたら止まらない。
高値で買ったものが大きく外れる場合もある。今回のように100円で”超お買い得”な時もある。
幸運にあたって嬉しい!
NYでアボカドは1個2ドル〜2ドル50セントくらいで買っていた(2020年までのこと)。
メキシコ産が多かった。大きくて立派なものである。何回も失敗するうちに美味しいものを買う秘訣を得た。それでも、時々、包丁を入れてがっかりする時がある。あの気持は絶望に近いものがある。
それが最後の1個だとなおさらである。その日に予定していた“あと一品”がなくなる。
「これは美味しい!」と感激するほどのアボカドに当たった時には、一度に食べきることにしている。変色しない方法や道具を試したが、程度の差はあれ黒くなる。私のやり方に問題があるのだろうか。
南瓜と同じく感動するほどの美味しいアボカドに当たる時があるから、中が黒くなっているアボカドに当たっても懲りずにまた買い求めるのである。
NYでは果物を通りのベンダーで買うことが多かった。安いのである。
街のあちらこちらにベンダーはある。
ある暑い日の夕方、駅を出たところの通りに店を広げていたお兄さんが「帰り支度を始めようかな、
どうしようかな」という場面に遭遇した。「いちご、5箱まとめて買ったら半額にするよ」という。
透明のプラスチックパック入りの苺、パックの四方の隅から中を覗く。すでに傷んでいるものもいくつかある。「これは完璧」と思ってアパートへ帰って中をあけるといくつかは傷んでいるのが常である。
「これが売れたら帰れるんだ」控えめな売り込みに弱い。5パック買った。
案の定、半分くらいが傷んでいた。もう絶対にこんな買い方はしないと決心する。
半分を処分して2パック半の苺を、その日の夜と翌日で食べきる。苺は数個食べて美味しいもの。
そんなに沢山食べるものではない。なんと、無駄な・・・
「まあ、いいか。あのお兄ちゃんがあの後に帰れたのだから」と自分を納得させるのである。