日曜日、かっぱ橋本通りは七夕の飾りつけがされていた。
祭り色にきらめく通りのど真ん中、浅草雷門方向にはスカイツリーがそびえたつ。
梅雨の時期には珍しく雲ひとつない青空に、青、赤、ピンク色がきらきらと光り、
心地よい風がサラサラと音を立てて飾りを揺らす。
あまりに綺麗で道路の真ん中に立ち写真を一枚。
皆同じことを考える。前後10メートル先でも道路の真ん中で撮影している人たち。
その人が映らないように、それぞれが上手に譲り合い写真を撮る。
七夕祭りは7月6日から10日まで行われる。
近辺に住み始めて3年目になるが、今回初めて知ったお祭り。
8月の始めには故郷のねぶた祭が開催される。
その時期にはもう何十年も帰っていない。ここ数年はオンラインでの観覧が続いている。
地元に実家のない私はいつもビジネスホテルに宿泊するが、ねぶたの時期は何ヶ月も前からどの
ホテルも予約が取れない状態である。親戚や友人たちは「いつでも泊まって」と言ってくれるが、
なかなかそうはいかない。特にお祭りの時期はそれぞれの家族が集まってくるはずである。
来年こそはねぶた祭に帰ろうと思う。可能であるならば、今からホテルの予約を入れたいところで
ある。もし取れなかったら、その時は、皆の親切なお言葉に甘えるかも知れない。
ねぶた祭りはオンラインでも見られる便利な時代になった。
でも、祭りの空気や匂いを感じることは出来ない。
思い出せないのである。ねぶた祭が始まる前のあの空気、夕方になると衣装を着て通りを歩く人たちの
鈴の音に胸がざわついたこと、祭りの汗、終わったあとのちょっと切ない気持ち。
それらを肌で感じることが出来たら、きっと身体にのこる。
そしたら、またしばらくはオンラインで充分に楽しめそうである。
かっぱ橋本通りの七夕祭りの飾りつけが、ねぶた祭を思う自分の気持ちを蘇らせてくれた。
七夕祭りが楽しみである。