147分の長い映画だった。素晴らしい映画だったけれども、途中でおしりが痛くなり、鑑賞中、

動きを最小限におさえながら何度も姿勢を変えた。

 

劇場を出るエレベーターの中で、ご夫婦らしきお二人と一緒になった。お洒落なジャケットに帽子姿の素敵な80歳くらいと思われる男性が「どうでしたか?」と、やはり同年代の上品な女性(たぶん奥様)に訊ねる。女性は「う〜ん」と苦笑いをされている。私は「長かったですよねえ」と心の中で

つぶやく。すると男性は「僕はあと200本はいけるかな」とおっしゃる。

「えっ、そっちか」と意表を突かれた私である。

 

週に1回観たとして、1年で52回、あと4年弱、なんだか生々しいけれども、男性の言い方には微笑ましいものがあり、あたたかい希望が見える。映画を愛されているお気持ちが伝わってくる言葉だった。